2012年の今年は、本日解禁です。
毎年日本でも盛り上がりを見せるボジョレー・ヌーボーは、フランスのブルゴーニュ地方ボジョレー地区で作られる新酒の赤ワインですが、
それに先立つようにして、毎年11月第1土曜日(今年は11/3でした)に解禁される、「山梨ヌーボー」をご存知ですか?
それは、ワイン王国山梨県発、「日本人による日本人のためのワイン」。
日本が誇る、山梨の国産ワインの最前線とは?
ワイン王国の歴史
ワイン生産日本一、甲信越地方の山梨県のブドウの栽培の歴史は、約1,000年。
鎌倉時代初期に、中国から輸入されたヨーロッパブドウの栽培が甲州国勝沼(現山梨県甲州市)で始められ、明治時代に入るまでは、
専ら、甲州だけの特産品として扱われてきました。
こうして、およそ1,000年という長い年月をかけて、山梨県の気候や土壌などの風土に根付いたブドウ「甲州種」ができあがりました。
明治の開国以降、日本に普及しはじめたヨーロッパのワインにならい、
昭和初期、山梨のぶどう農家たちは、それぞれの自慢のぶどうを持ち寄って、畑の真ん中に、ワインを作るための「ブロックワイナリー」と呼ばれる共同醸造場を作りました。
昭和以降、作られ始めた共同醸造場が、「ワイナリー」と原点となり、山梨県は、現在80以上のワイナリーを抱える日本一のワイン生産県となりました。
日本人による日本人のためのワインを
現在活躍している山梨のワイン醸造家は、世代交代を経た2代目や3代目。
特に3代目となる若いワイン醸造家たちは、国内でワインを学んだ後、フランスやイタリアなどの海外で本格的にワイン作りを学びに行くことが多いそうです。そんな多くの若い醸造家たちが持つ目的は、「日本人ためのワイン作り」。
海外から帰ってきた若い醸造家の感性によって、和食に合うワインなど、日本で生まれ育った日本人にしかできない、独自のワイン作りが行われています。
「日本人のためのワインを」そんな想いで作られた山梨のワインは、ここ2〜3年、海外からの評価も非常に高く、国内外の賞を受賞することも。
ワイン王国を知る旅を
山梨県内には、勝沼エリアをはじめ、甲府エリア、塩山エリア、笛吹エリアなど多くのワイナリーを抱える地区が。
それぞれの地区、それぞれのワイナリーによって香りや味が異なる山梨ワインを堪能する旅というのも可能です。
ワイン醸造場見学を行なっているワイナリーもありますから、週末に出かけてみるのも良いかもしれません。
また、今週末には山梨県で「第5回ワインツーリズム」が開催され、全国からワイン愛好家も、そうでない人も多くの人が山梨に集まります。
「ワインツーリズム」とは、ワインはもちろんのこと、山梨県の豊かな自然や郷土料理を楽しむ旅です。
残念ながら、こちらは既に受付終了となってしまっていますが、山梨ワインがそして山梨が、注目されていることは見て取れます。
「日本人のためのワイン」を作る、山梨県のワイン産業
世界的に人気がある海外のワインに真っ向から対抗することなく、「日本人のためのワイン」をという目的のもとに山梨の風土でじっくり作られるワインが、最近世界的な評価を得ていることは、
まるでワインが樽の中で長い歳月をかけて熟するかのように、山梨のワイン産業そのものが「熟成」してきている証かもしれません。
そんな山梨ワイン、ワイン愛好家はもちろんのこと、「ワインは高級で、難しい知識を求められるお酒」と思っている方も、一度触れてみてはいかがでしょうか。
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