官民一体のすごい街づくり!小田原市「無尽蔵プロジェクト」


官民一体のすごい街づくり!小田原市「無尽蔵プロジェクト」地域にはそれぞれの土地の風土、その風土に根付いた文化や歴史があります。
その文化や歴史を見つめなおしていく中に、私たちの求める豊かな暮らしと地域が活性化するヒントが隠されているかもしれません。

そんな、その土地ならではの特徴と潜在性を引き出し、地域を盛り上げようという取り組みがあります。

神奈川県小田原市の「無尽蔵プロジェクト」。

市民と行政が一体となり、「無尽の英知」を持って小田原の持つ特徴と潜在力を引き出し、地域経済の活性化と街の活力向上を目指すというプロジェクトです。


森里海に囲まれた小田原市の様子

 

お金の支援だけではない!これからの行政と民間の協力の在り方

無尽蔵プロジェクトの原点は、これまで行政が「市民参画の推進」を目的に実施してきた企画が資金も人材も「行政の丸抱え」になりがちだったという反省にあります。

そこで、行政の「補助金以外での市民への協力の方法」が検討されたのが、そもそものはじまり。行政が提案し、実施主体となる民間に補助金を交付するのではなく、市の施設の貸与といった「お金のかからない協力」へと転換しました。

民間が稼げば、結果的に「人が集まり、経済効果が生まれ、税収も増える」という考え方です。こうして小田原市の経済の活性化を掲げ「無尽蔵プロジェクト」が生まれました。

 

無尽の知恵と資源を生かして「新しい小田原スタイル」をつくる

「無尽蔵」とは小田原出身の農政家「二宮金次郎」の名でも知られる二宮尊徳の「徳は無尽蔵にあり」という言葉からきています。徳とは、人間の持っている気質や能力に、社会性や道徳性が発揮されたもののこと。

モノには限りがありますが、人の可能性や地域、自然環境が持っている力・可能性は尽きることはありません。

無尽蔵プロジェクトは、それぞれの分野で活躍している企業や団体の方が中心となって、海里森に恵まれた豊かな小田原の地域資源を活かし、「新しい小田原スタイル」を作り上げていくという新しい取り組みです。プロジェクトに関係する市の所管課も補佐役として参画し、調整役を担います。

 

小田原ならではの10個の推進テーマ

無尽蔵プロジェクトでは、「希望と活力あふれる小田原」をコンセプトに10個の推進テーマを設定しています。

1. ウォーキングタウン小田原」プロジェクト。
まちを歩いて楽しめる観光地を創ります。

2. 「文学のまちづくり」プロジェクト
「文学」をキーワードとして、小田原地域の有形無形の文化資源に光をあてたテーマです。

3. 「食の小田原」プロジェクト
食を通じて「地域の人たちのつながりの回復をはかること」「安全な食品による市民・子どもたちの健康の実現」を目指します。

4. 「ものづくり・デザイン・アート」プロジェクト
伝統の匠の技を受け継ぐと同時に、次世代を担う新しいものづくりの仕組みを創ります。

5. 「わがまち振興」プロジェクト
地域における生産物の販売や定期的なマーケットの展開につながる仕掛けづくりを目指します。

6. 「環境(エコ)シティ」プロジェクト
小田原の環境の過去と現在を調査して問題を洗い出し、エコな街の未来を考えます。

7. 「市民による芸術文化創造」プロジェクト
高いレベルにある多様な文化芸術の活動をつなぎ、育て、担い手の裾野を広げるための新しい活動です。

8. 「小田原ならではの住まい作り」プロジェクト
「住みやすい街とはどんな街」という問いのもと、小田原地場産の材料の一般市場への流通の可能性を探るプロジェクトです。

9. 「シネマとライブのまち」プロジェクト
まちが感性豊かな文化都市として発展していくことを目指します。

10. 「小田原スタイルの情報発信」プロジェクト
「市民力」による自由な発想と活力を導入し、全国に発信することを目指します。


「ウォーキングタウン小田原」取り組みの様子


「シネマとライブのまち」取り組みの様子

 

まとめ

地域に住む人や土地自体が持つ知恵、文化や歴史を、今再び紐解き、今の時代に合わせて伝えることで、まちの活力向上を目指す、小田原市の無尽蔵プロジェクト。

必要以上の大量生産・大量消費によって成り立たっている日本に、小田原から吹く新たな「知恵」の風です。

<小田原市無尽蔵プロジェクトページ>
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/business/industry/mjjinzou/mujinzou/mijinzou-project.html

 

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