黒壁で真っ黒?まちを博物館にして年間300万人が訪れる観光地へ、滋賀県長浜市


黒壁で真っ黒?まちを博物館にして年間300万人が訪れる観光地へ、滋賀県長浜市かつて羽柴秀吉が居城した長浜城の城下町として栄えた、滋賀県長浜市。
戦国時代の史跡が多く残る街としても有名です。

現在、年間300万人が訪れている近畿地方の一大地方観光地だった長浜市も一時は、
一日に人が数人通ればよい、という閑散とした状況を呈している時期がありました。

長浜市を一大観光地にするカギとなったのは「歴史的景観」を守り、活かすことでした。

 

昭和54年(1979)、長浜市の中心市街地に立地する二つの大型店から郊外への出店申請が出されました。大型店の郊外移転は中心市街地商店街の人々の間に強い危機感を生んだと言います。実際に、長浜のかつての中心市街地は閑散としてしまい、日中まちゆく人は数人となってしまいました。

 

まち全体を博物館に

人足まばらになった長浜市をさらに、追い打ちをかけるように、「黒壁銀行」の愛称で親しまれてきた旧第百三十銀行(1899年竣工)の取り壊しの危機が発生しました。

「黒壁銀行」は、黒漆喰(しっくい)でできた風情ある和風建築で、まちの景観と雰囲気を作ってきた、まちのシンボルとも言える存在。

すぐさま、旧市街の古建築の保存と再生のための「博物館都市構想」を掲げた団体「黒壁」が1988年に設立。黒壁銀行を中心に、現存する古い建築を残し、まち全体を博物館のようにしようという構想を打ち立てました。


黒壁銀行の愛称で親しまれてきた旧第百三十銀行

生まれ変わる街並み、訪れる人の増加

残っている民家や商店などの古建築を生かし、まち全体を博物館のようにしようという構想が、功を奏し多くの観光客がやってきました。

黒壁銀行の保存・再生を契機に、約400年の伝統に支えられた長浜の「寂れた」商店街と「古い」住宅街が、その良さを残しつつ次々に生まれ変わり、今や琵琶湖北最大の観光スポット、そして関西を代表するまちづくり成功事例のまちへと変貌を遂げています。

「黒壁」設立の主目的である旧第百三十銀行の保存と再生は、1989年に黒壁一號館「黒壁ガラス館」としてオープンすることにより達成されました。さらに、この建物周囲の古建築を、次々と美術館、ガラスショップ、工房、ギャラリー、カフェ、レストランへと再生してその数計30軒もの古建築が再生されました。


黒壁ストリート

 

まとめ

歴史的建築物を保全することによって、まち全体の街並みに統一感を出し、いまや一大観光地にまでなった滋賀県長浜市。

大きな投資をし、新たな観光スポットを1から作る、話題になるような大型店を誘致するといった方策ではなく、もともとまちが持っている古い建築物を活かし、まちづくりを行なっていることは、寂れてしまった日本の多くのかつての中心市街地再生へのヒントとなるのではないでしょうか。

 

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