日本の美しい原風景を残すまちづくり!横浜市和泉川の川づくり取組み


日本の美しい原風景を残すまちづくり!横浜市和泉川の川づくり取組み日本の美しい原風景、これはかけがえのない地域の資産です。
そんな大切な資産を川づくりを通じて残し、自然と人の心豊かなまちづくりを目指している地域があります。

横浜市和泉区の住宅街を流れる「和泉川」に面した横浜市泉区。
神奈川という都市部の住宅街に流れる小さな川から、まちづくりをする全国的にも珍しい取り組みです。

和泉川は、いくつもの県をまたいで流れるような大きな川、一級河川とは違い、
二級河川、住宅地の中を縫うようにして流れる小さな川。

しかし、その規模は一級河川には劣るものの、生活空間を流れているだけあり、人々の生活に与える影響はまさるとも劣りません。

横浜市は全国に先駆けて、小さな川の整備の重要性に気づき、1987年に、「ふるさとの川整備事業」を策定。1991年には、和泉川が、整備事業の認定を受け、まちづくりのための「川づくり」が行われることになります。

 

目指したのは自然あふれる「ふるさとの川」

住宅地を流れる川にありがちな、コンクリートで固められた用水路や、人工地下水路を流れる川とは違い、和泉川は、緑いっぱいの中を流れ、自然の蛇行によって作られる、「瀬」や「淵」を多く残しています。

まちの近代化で壊されがちな自然の風景が、そのまま残るように整備され、小さい川ながら、美しく広い緑地を形成し、昔からある和泉区の「ふるさとの原風景」が保たれています。

 

川を中心に公園や住宅地を建設

横浜市は、自然な状態で流れる和泉川に沿うようにして、緑地公園や住宅地を計画的につくり、「ふるさとの原風景」といつでも触れることのできるまちを作りました。

川とともに蛇行しながら続く長い緑地帯には、散歩道が設けられ、地域住民の生活の道として、親しまれています。

 

川を守ったのは、地域住民

1987年に横浜市の「ふるさとの川整備事業」が策定されてから、1991年に和泉川が事業対象として認定をうけるまでの間、地域住民グループ「よこはまかわを考える会」による和泉川環境整備を求める動きがありました。

主婦や自営業者、学生などに加え、和泉川再生の意見に同調した市役所職員からなる、住民グループの声が、和泉川を事業対象として認定されるまでへと導きました。

和泉川とその周辺の緑地からなるふるさとの風景は、住民の声によって守られ、住民によって愛されるまちの風景となっています。

 

 

まとめ

川づくりをすることで、ふるさとの原風景を残し、自然も、住む人の心も豊かなまちづくりをしている神奈川県横浜市の取り組み。

ただ作っただけではなく、その後の住民による行き届いた保全活動もされています。

川づくりでまちづくり。
まちづくりのきっかけは、意外なところに落ちているものなのかもしれません。

 

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