最近は、若い世代の人口流出に伴う住民の高齢化などが大きな問題になっています。
そんな中、沖縄県浦添(うらそえ)市のニュータウン「Uニュータウン」は、なんと60%以上の親子が同じUニュータウン出身。
着実に次の世代に受け継がれている、全国でも珍しいニュータウンです。
冷たいコンクリートジャングルとも揶揄されるニュータウンで、世代を超えて子どもたちの笑顔を絶やさない秘訣がここ沖縄県浦添市にあります。
「ユイマール」による地域づくり
浦添市のUニュータウンは住人がお互い助け合う街づくりをしようと、住民一丸となって顔の見える関係作りを行いました。
それは、住民が集うことができるオープンスペースとなる広場や公民館の建設。子どもたちの通学路づくりなど。
自分たちで作った道や施設は、都市計画によって作られたものよりも、何倍も愛着が湧き、地域を愛するこころが生まれます。
こういったまちづくりの動きは、沖縄県独特の風習である「ユイマール」という文化が大きく影響しています。
ユイマールとは、ユイ(結び、協働)+マール(順番)という言葉から成り、地域の人たちが互いに助け合って地域活動をするという意味です。
「道路」を子どもたちのための遊び場へ
Uニュータウンは、もともと公園が少なかったり、道が狭かったりといった特徴があります。
そのため通る車もスピードを出しにくく、比較的安全であるため、道路を子供たちの遊び場にしてしまいました。住居者には道路は子供があそぶところという共通の認識があるために、誰かが道で遊ぶ子どもたちの姿を見ている、といった状況も生まれています。
道路は、これからのUニュータウンを担う次の世代の子どもたちの「遊び」を確保し、豊かな心を持った子どもが育つ、そんなまちの大切な役割を果たしています。
生活の拠点、そして、こころの「ふるさと」として
Uニュータウンは、食料品店や日用品店の「個人商店」が点在。
ベッドタウンにありがちな、大型スーパーやコンビニには頼らず、まちが顔の見える範囲の生活の拠点として成り立っています。
生活必需品を取り扱うような商店だけではなく、沖縄の伝統楽器、三線(さんしん)や琉球舞踊などの教室といった、沖縄の伝統文化を伝える場所も、タウンの中には存在しています。
このことにより、子どもたちにとって、Uニュータウンはただ寝るだけの簡素な住宅街ではなく、人情味や地域性に溢れた住宅街となっています。
子どもが住みやすいまちづくりのお手本に
十分な子どもたちの居場所と、顔の見える関係が構築しやすい場をつくることで、衰退しがちな「ニュータウン」を住みやすく、子どもたちの笑い声で絶えないまちにかえた浦添市「Uニュータウン」。
ニュータウンと呼ばれる地域だけではなく、すべての地域にとって、参考になりそうな取組みです。
地域の相互扶助によって、子どもたちのためにコミュニティを作る活動「米国KaBoom!の取組み」の記事も合わせてどうぞ。
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