日本だけでなく、世界にも大きな衝撃を与えた東京電力・福島原発事故。原発を持つ国々では、いまも原発の安全性をどう確保するのか、原発に頼らないエネルギー供給方法はないのか、分析や検討が重ねられ、様々な議論がかわされています。
あなたは原発のある未来を受け入れることができますか?
これが今、日本に問われている非常に難しい問題です。
そのひとつの答えとして、原発のない未来を目指して、とてもクリーンで現実的な考えをもち、日本各地でムーブメントをおこしつつある動きがあります。
それが「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」という取り組みです。地域に根ざして企業活動を行う、日本の経営者が集まり未来のエネルギーの在り方を考える取り組みです。
エネルギーの自立から地域の経済的自立を考える
「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」、通称「エネ経」は、2012年3月20日に設立された新しい団体。
地域経済をエネルギーの自立から考え、日本の未来のエネルギー施策、経済施策に提言していこうという取り組みを行なっています。
それぞれの地域が国に頼ることなく、エネルギー・経済的な自立をし、よりクリーンで持続可能なまちづくりをおこなおうと、取り組んでいます。
主な活動内容として、
1.地域でのエネルギー自給体制を実現するための勉強会や先進事例視察研究。
2.再生可能エネルギーについての正しい知識と認識を得るための勉強会、シンポジウム、映画の上映会の開催。
3.持続可能な企業経営と経済の実現のための調査研究や提言発信。
4.各地域での志民、行政、各種諸団体との連携、協議、情報交換と啓発活動。
の4つを掲げ、活動しています。
3.11以降急速に高まった再生可能エネルギーの導入や、小さな地域の中でエネルギーを自給し、地域経済的自立を目指しています。
「エネ経」上映会の様子
中小企業経営者ネットワークならではの行動力
エネ経のメンバーは、地域に根ざして企業活動を行う、日本の中小企業の経営者たち。
地域でのエネルギー自給の仕組みを、小さく、しかし日本各地から実現させることを目標に掲げています。
ただ、原発に反対するだけではなく原発がないほうが健全な国・地域づくりができるという「対案」を示し、それを実践のネットワークづくりを通して、新しいエネルギーの未来を考えています。
経済から考える顔の見える地域づくり
エネ経は、住民たちが自らの地域に関心を持ち、地域の課題に対して「自分ごと」として積極的に関わり、地域の中でお金を回すことで、経済的自立をした地域づくりを目指しています。
原発行政に代表されるような、補助金に頼る地域づくりでは、持続可能な地域経済とは言えません。
このような地域ごとの小さな取組みが日本各地で創発的に起き、資源やノウハウを循環させることで、いつしか国のあり様を変えることにつながる可能性に満ちた、1つ1つは小さいけれど、実は地球規模の大きな取組みです。
まとめ
地域でのエネルギー自給体制の実現、地域の中で循環する経済を作ることでの地域経済の自立、顔の見える小さな範囲での地域づくりを通して、日本の経済を根本から考え直す「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」。
志を同じくする者が、ソーシャルメディアなどを通して、つながり、国をも変えてしまう時代です。
「エネ経」の取組みからも、起こりつつあるそんなパラダイムシフトが見て取れますね。
【「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」公式ページ】
https://enekei.jp/
【「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」公式Facebookページ】
https://www.facebook.com/enekei.jp
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