エネルギーの地産地消
石徹白の小水力発電


エネルギーの地産地消石徹白の小水力発電

日本三大名山のひとつ白山の豊かな水が流れる、郡上市石徹白(いとしろ)。
今回は、その石徹白地区に張り巡らされた農業用水を利用した、
小水力発電についてご紹介します。電気を発電するだけではなく、
そこで暮らす人々の活きる活力を創る、とても興味深い取り組みです。


(参照: 中部を動かすポータルサイト「マイクロ水力発電で石徹白(いとしろ)をPR」 )

石徹白地区ってどこ?


岐阜県は石徹白(いとしろ)地区。
富士山や立山と並ぶ日本三名山と数えられる白山に麓にある、小さな集落です。
夏は涼しく、冬は厳しい寒さと雪景色が広がる農村で、過疎・高齢化が進んでいます。
そんな石徹白地区では、2008年より水車を設置し、小水力発電を実践しています。

小水力発電とは

小水力とは、ダムを利用しない、1000kW以下の水力発電のことです。
3.11後、にわかに日本でもメディア等で取り上げられることが多くなった
「再生可能エネルギー」。小水力発電も、再生可能エネルギーのうちの一つです。

主に、石徹白地区のように農業用の水路などを利用したものです。
(ダムを利用した水力発電は一般的には再生可能エネルギー、
自然エネルギーには含まれません。)

 以下に、大まかな再生可能エネルギーの供給量を示すと、
■自然エネルギー供給量
小水力(60%)
地熱(18%)
風力(11%)
太陽光(7%)
バイオマス(4%)
(年ごとに情報源によって多少の変動はあります。)

いまのところ再生可能な再生可能エネルギーの中で小水力の電力供給量が最も大きいですね。
日本の地形や気候、それに技術面とコスト面をふまえた結果であると思われます。
ダムを作らなくても、小規模で発電可能な、小水力発電は、
日本の国土の多くを占める農村地域を中心に広がりつつあり、現在244件の登録があります。
【参照:小水力発電データベース

石徹白地区の、エネルギー地産地消モデル

発電した電力は、まちの農産物加工所の稼動に使っています。

 1.用水を利用して農産物を栽培、発電
2.発電された電力で農産物を加工

無駄のない、素敵なデザインです。

また、子供たちが発電機を作成し、街灯を照らし町の安全を守るなど、
地域の人々を巻き込んで、発電活動を行なっています。
電気を発電し、創るだけではなく、地域の子供たちが電気について考えるきっかけを作り、
実際に街灯で照らすなど、様々な意義を持って小水力発電は石徹白で行われています。

自分たちで作ったエネルギーで生活をする。
住んでいる地域のエネルギーを考える、とても意義のある活動ですね。

今後の課題

一度に大きなコストがかかり、自然環境も奪う大規模・集積型の発電から、
小規模・分散型の発電に、3.11以降多くの人の注目が集められています。
山間地域が多い日本では小水力発電が未来のエネルギーとして残る可能性は高いと言えそうです。

 しかし、小水力発電の設置には水利権を取る必要があったり、
コストに見合わなかったりと課題も多く残っています。
(参照:読売新聞 小水力発電「集落のシンボルに」コスト回収に課題も)

そのような課題がありながら、ただ効率的に発電し、電気になって生活できれば良い、
で納得して電気を使う時代ではありません。
電気の源ではなく、生活の源であるという事を考慮して、発電について考えていく必要がありますね。

■参考記事
こちらから「石徹白地区での小水力発電」がクローズアップされた動画がご覧いただけます。
NHK総合テレビ「首都圏スペシャル」「高めよう!“市民電気力”(3)~めざせ!電気の地産地消~」