冬のやっかいものの「寒さ」と「猛吹雪」を、逆転の発想で観光スポットに変えた新しい発想の企画があります。
その名も青森県は津軽の、「地吹雪体験ツアー」。
本州最北端、青森県津軽の厳しく長い冬。
津軽の雪は、空から降ってくるものとは違い、激しい西風とともに、地面から強烈に吹きあげてくる、「地吹雪」とも呼ばれる雪。
一度吹き出すと、数メートル先、ひどい時には自分の足元さえ見えなくなるほど。
地元では、毎年恒例の「当たり前」の風景であり、「厄介なもの」な存在でした。
しかし、この地吹雪を、観光資源に変えようと、今から25年前に地元の青年たちが中心となって、「地吹雪体験ツアー」を企画しました。
北国の衣をまとって
地吹雪体験ツアーは、最近では、地元津軽でもあまり見かけないかつての北国の冬の標準装備、モンペ、角巻(かくまき)、カンジキを身に纏うところから始まります。
北国の衣をまとったら、一面銀世界の津軽平野の雪原に降り立ち、地吹雪の中をひたすら歩きます。
1メートル先すら見えなくなる、津軽の地吹雪を目の当たりにして、恐ろしさすら感じるツアー客もいるといいます。
地吹雪体験の後は、馬ソリ体験も用意。
これもまた、北国ならではの貴重な体験です。
北国の厳しい冬を、これでもかと体験したあとは、津軽の冬の郷土料理の代表「鱈のじゃっぱ汁」をいただくのだそう。
津軽の冬の楽しみをめいっぱい体験できるプログラムとなっています。
「津軽名物 じゃっぱ汁」
すでに体験者は1万人、主なターゲットは「南国」からの旅人
地吹雪体験ツアーの主なターゲットは、「南国」からの旅人。
ハワイや台湾からの観光客が多く、今までの体験者数は1万人を超えています。
雪を知ってる人にとってさえ、津軽の地吹雪には驚くというのだから、
雪を知らない人にとっては、ことさら旅には欠くことのできない「非日常」の体験となるのでしょう。
津軽鉄道の中から地吹雪を見るツアーも
少ない資源の中で風土を活かした町おこしのお手本
地元での「当たり前」や「厄介」を、逆転の発想でうまく観光資源に利用している「津軽地吹雪体験ツアー」。
今年で、昭和63年から始まり、今年で25シーズン目。
これだけ継続的に行えるのは、毎年変わらず地吹雪を生み出す、津軽の特異な地理環境による観光資源だからこそ。
そんな地理環境、風土を活かす、逆転の発想です。
観光資源の少なさに悩む自治体には、大きなヒントになるかもしれません。
【青森県観光情報サイト「aptinet」津軽地吹雪ツアーページ】
http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000466.html
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