その水まだ飲めますか?14億円分もの備蓄水が期限切れ『循環備蓄』のすすめ


その水まだ飲めますか?14億円分もの備蓄水が期限切れ『循環備蓄』のすすめ震災に備えて非常時用に備蓄している水が、「備蓄水」です。
震災以降、多くの家庭で「水」を備蓄するようになり、水の需要が高まりました。震災後1年を過ぎても、その消費量は高止まりを続けています。

災害時の非常用として備蓄用に保存されている水に、思わぬ盲点が浮かび上がってきました。

その水まだ飲めますか?

実は、備蓄庫に保存されている非常用の水が、次々と賞味期限切れになっています。

キリンMCダノンウォーターズが消費者800人を対象に行った調査によると、非常時用に備蓄している食品の中で消費しないまま期限が切れたモノの第1位は「水」。

その量は、金額で示すと1家族につき1182円分。全国の小学生以下の子供がいる全世帯で同様の事態が生じていると仮定した場合、年間14億円の水が期限切れを迎えている計算になるといいます。

このような賞味期限切れの備蓄水が増えることを懸念して「循環備蓄」という考え方が広まりつつあります。

 

食品を循環させて備蓄する

循環備蓄とは、非常用に備蓄している食品や水が、いざという時に賞味期限切れを起こさないように、日常生活で定期的に使いながら、なくなった分を補充していくという備蓄方法です。

例えばペットボトルの水だと、賞味期限はおおよそ1〜2年。期限が長そうな水産系の缶詰も、意外と短く、長くても3年ほどになります。この賞味期限を意識し、備蓄食料を定期的に使い消費、なくなった分を買い足すという考え方です。

キリンビバレッジではこの「循環備蓄」の習慣を広めようと、災害時に備えた正しい量の水・食材のストックを推奨する「スマートストックの日」を制定。
「スマートストック」を継続的に実践するための「循環備蓄」を実践するアイディア募集を行うなど、積極的に啓蒙活動を行なっています。

 

町ぐるみで「循環備蓄」

この「循環備蓄」の取り組み、まちぐるみでも行われています。
宮城県仙台市では、「地震防災アドバイザー室」が、今年の2月から、循環備蓄をまちに提案、非常時備えにまち全体で取り組んでいます。
(参考:「仙台市詩人防災アドバイザー室『循環備蓄のすすめ』http://www.city.sendai.jp/shobo/1201570_2447.html」)

地震多発国、日本。このように、各家庭だけでなく、各地域が災害に備え、「循環備蓄」の取り組みを実施していくことはとても大切です。

例えば、東日本大震災時大きな被害が出た、長野県栄村のような「中山間地域」。
日本の限界集落の多くを擁する中山間地域は、物流が生命線。

買い占め問題が浮上した東京のような「大規模都市」も、食料自給率が極端に低く、多くの人口を抱えているため、物流が命です。

このような特に都市部や山間地域には循環備蓄のシステムを取り入れ、非常時に備えるのがよいでしょう。

 

循環備蓄で非常時に備えたスマートな暮らしを

日常と非常時の距離を縮めて、いざという時に命を守る大切な考え方、それが循環備蓄です。関東直下型、南海、東海地震など、いつ起きてもおかしくないと言われる日本は、常に地震と隣り合わせですが、常に気を張っている訳にもいきません。

循環備蓄は一度習慣になってしまえば、食料に関しては、日頃から高い意識を持って生活する必要がなく、地震大国日本で暮らす私たちにマッチした、スマートな暮らしの提案なのではないでしょうか。

 
また、3.11で不足した栄養素は、タンパク質だったそうです。
非常時に準備したものや、避難所で提供される食事はお腹を満たすものばかり。
カラダを構成する重要な栄養素である、タンパク質の備蓄が必要ですね。
非常時のタンパク質補給

 

 

人気の記事

3億台のiPodを支える世界一の磨き屋集団!新潟県燕市の「磨き屋シンジケート」
地域の魅力をまるごと楽しめちゃう日本流「ロングトレイル」とは
よみがえる日本の表玄関・東京駅。100年ぶり元の姿に!
「どーーん」と9万ヶ所の公園を生み出す!公園から地域づくりを目指す米国NPO法人『カブーム!』
メガネフレーム国内シェア96%!伝統技術が町を支える福井県鯖江市
お城からまちづくり!3年で5億円以上を集めた熊本城「一口城主制度」