その世界観は、まるで子どもの頃に夢に見た漫画の近未来世界そのもの。
今、その近未来なまちの実現に向け、着実に建設が進められています。
マスダールシティがあるのは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都、アブダビ。
空港から車で10分ほど行ったところにある砂漠のど真ん中に、面積約6.5km、人口約5万人の新都市「マスダールシティ」を建設する大型プロジェクトが2006年からスタートしています。
スマートシティとは、
再生可能エネルギーによる電力供給、エネルギー需給量が最適化される新たな電力網「スマートグリッド」利用や、次世代交通網、それらに伴う市民のライフスタイルの変革などを、複合的に組み合わせた、次世代のまちのモデルのこと。
いまでは、世界中で実験・建設が進められているこの次世代スマートシティの構想。
世界で初めてスマートシティ建設計画が持ち上がったのは、中東の石油大国、アラブ首長国連邦でした。
まちづくりの中核は「再生可能エネルギー」
マスダールシティは現在:
1. 究極の環境未来都市を目指した「マスダール・シティ」の建設
2. 再生可能エネルギー研究の世界拠点の創設
3. 世界の再生可能エネルギー事業に投資
という3つの事業を主に進めています。
このいずれの事業でも、中核になるのは「再生可能エネルギー」です。
100%再生可能エネルギーによる稼動を目指して、建設が進められています。
石油大国だからこそのまちづくり
マスダールとはアラビア語で「源・原動力」を意味。
アラブ首長国連邦は石油資源によって世界有数の豊かな国。
「この有限な石油が枯渇した後でも、世界で次世代エネルギー分野の中心大国であり続ける」これが『マスダールシティ』が持つビジョンです。
そして石油に変わる次世代エネルギーは、当然ながら再生可能エネルギー。
石油大国だからこそ持つことができた問題意識と、壮大なビジョンです。
マスダールシティの本気
実はこのマスダールシティ構想、途中で何度か「頓挫」しかけています。
2006年の当初の計画では、電力をすべてシティ内の太陽光発電などの再生可能エネルギーでまかない、水資源は、海水淡水化プラントで造水。
ガソリン自動車はシティ内に入れず、電動のコンパクトカーといった次世代交通システムを導入するなどして、CO2排出量ゼロを目指すという壮大なものでした。
しかし、2010年に、アブダビ政府は、建設計画を大幅に見直し。
2016年としていた完成時期を2020~25年に先送りし、220億ドルの総事業費を10~15%圧縮する、エネルギーをシティ内で自給するのではなく、外部に建設する太陽光発電所から調達する、シティ内に敷設した軌道上を無人運転する電動コンパクトカーの建設範囲を縮小し、代わりにEV、電気自動車の導入を検討する、といった内容でした。
初期計画を現実的な予算・工期を含め「軌道修正」。
マスダールシティ構想の実現に向けて、本気で動いているともとることができます。
世界初のスマートシティ実現に向けて
再生可能エネルギーにフォーカスし、有限な石油が枯渇した後もなお、世界でエネルギー分野の中心大国であり続けるというビジョンを持った、アブダビのマスダールシティ。
漫画やアニメでしか見たことがなかった近未来都市が、もう10年もしないうちに完成します。
こちらも要チェック!
世界初にして最大の本格スマートシティ マスダールシティが本当にスマートな理由。
【マスダールシティを紹介する動画 Youtubeより】
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