世界最大規模の『大地の芸術祭』越後妻有で開催中


世界最大規模の『大地の芸術祭』越後妻有で開催中7/29から、今月の9/17までの51日間、
新潟県越後妻有地域(新潟県十日町市・津南町)の里山で3年に1度開催されている、
世界最大規模の国際芸術祭『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012』をご紹介します。

三年に一度の国際芸術祭『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012』


Photo by Naoki Ishikawa

44もの国と地域から、310組のアーティストが集まり、
360点以上もの展示作品やプロジェクトが展示され、
今回も多くの訪れた人々で盛り上がっています。

越後妻有ってどこ?


Photo: Osamu Nkamura

世界有数の豪雪地・越後妻有地域は、
自然と人間が共に暮らす「里山」が今も残り、「中山間地域」とも言われています。

中山間地域と言えば、
人口の21%以上が65歳以上の高齢者で占められる「超高齢化」が起こりうる地域といった、
土地や村の空洞化が進む地域の総称として、使われることが多いです。

越後妻有も、背の高い建物などはなく、
山の斜面1面に棚田が広がる、のどかな日本の農山村をイメージしていただければ良いと思います。

コンテンツは場所文化


Photo: Osamu Nkamura

『大地の芸術祭』でアートとして表現されるコンテンツは「場所そのもの」なんです。
何千年もの間、育まれてきた自然や地域に根ざした文化を、外の人である世界中のアーティストによって表現されています。
その制作過程もとても興味深いです。

アーティストは「他者の土地」にものを創るために、地域とのコミュニケーションを取り、住民の方々と一緒に作品を創っていくのです。
外の人が、越後妻有の里山の生活や自然を観察し土地が持っている価値を発見し、表現していくことに、『大地の芸術祭』の大きな意義があります。

それらのアート作品は、760㎢もの広大な大地に散在して常設されています。
760㎢ってどれくらいかって言いますと、東京23区合計が622㎢ですので、
相当な規模ということが分かりますね。とにかくでかいです。
そこで、越後妻有の田畑、民家、廃校などを活かしたアートを通して、四季折々の里山の生活を感じることができるのです。
そんな非効率的な展示の仕方が、里山の美しさ豊かさを際立たせ、そこで育まれた人間の時間を浮きあがらせる作品を巡りながら、訪れた人々は五感を開放し、リアルの素晴らしさを全身に思い出すことができるのです。

また、訪れた人々は展示作品を見ることだけではなく、越後妻有の食、自然、集落、文化などを巡る、100ものテーマに分かれた、
「真夏の里山体験100の旅」なるツアーを体験することができます。
美味しいコシヒカリを使った食事や、越後妻有の大自然自体を満喫する、地域全体を楽しむことができるのです。

地域づくりとしての芸術祭

この越後妻有の大地の芸術祭は今年で、5回目。
来場者数、参加者数共に、会を重ねる毎に伸びています。

前回までの来場者数は、
第1回は約163,000人、
第2回は約205,000人、
第3回は約350,000人、
第4回は約375,000人。

越後妻有地域の人口は、2012年7月現在で68,074人ですので、
第4回の時には、地域住民の5倍もの人が、50日間ほどの間に訪れたという計算になります。

また、3年に1度の芸術祭で、アーティストが手がけた文化は、地域の人々によって運営されています。芸術祭の期間だけではなく、棚田やブナ林、祭りや伝統行事など越後妻有の風土や文化を五感いっぱいに感じることができます。

ここでしか体験できない食や大自然といった場所文化を守り、
忘れてはならない「経済」が循環することで地域が自立する、地域づくりのお手本とも言える活動です。

まとめ

地域に内在する様々な価値をアートで表現し、
里山という孤立していた場所を開き、世界中との繋がりを創ることで、地域再生を目指した取り組み、『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2012』。

何千年もの間、育まれてきた自然や地域に根ざした文化がアートになり、
それをきっかけに多くの方々が訪問し、大自然そして生活を体験してもらうことで、経済を回している所がすごいですね。

<越後妻有『大地の芸術祭』公式ページ>
http://www.echigo-tsumari.jp/

* 写真については『大地の芸術祭』 実行員会事務局の許可を得て掲載させて頂きました。
転載・商用利用の際は、『大地の芸術祭』実行員会事務局までお問い合わせください。

 

人気の投稿

東京は丸の内の復活物語!物語のコンセプトは『丸の内を世界に開かれた交流創造の舞台へ』
よみがえる日本の表玄関・東京駅。100年ぶり元の姿に!
「どーーん」と9万ヶ所の公園を生み出す!公園から地域づくりを目指す米国NPO法人『カブーム!』
メガネフレーム国内シェア96%!伝統技術が町を支える福井県鯖江市
お城からまちづくり!3年で5億円以上を集めた熊本城「一口城主制度」
若者が小布施の未来を描く!小布施若者会議まとめ記事