古い倉庫をリノベーション!ブックカフェ&バー「イズマイ/izumai」(馬喰町)

東京都内屈指の問屋街の一つ、馬喰町(ばくろちょう)。懐かしい風景の残るこの街に、静かに「居住まう」お店がありました。

「イズマイ/izumai」(馬喰町)
「イズマイ/izumai」(馬喰町)
馬喰町駅または馬喰横山駅を出て、目の前の大通りを歩くとすぐに、レストランやギャラリーの入った、レトロなビルがあります。
今回ご紹介するのは、その一階にあるのがカフェ&バー「イズマイ」です。

本とパイを片手に過ごす 穏やかな時間

古い倉庫をリノベーションしたという店内は天井が高く、開放感があります。そして目に飛び込んでくるのは、その天井につきそうなほど大きな本棚。

「イズマイ/izumai」(馬喰町)
実はこのお店、書店を併設したブックカフェ&バーでもあり、本を読みながら食事を楽しむことができるのです。本をセレクトしているのは、話題となった「BOOK TRUCK」の三田修平さん。表紙にインパクトのある写真集や芸術書から文学の本までが並び、特に種類の豊富な料理本のコーナーには、雑誌『暮らしの手帖』のバックナンバーも。これらの本はすべて、購入可能です。

「イズマイ/izumai」(馬喰町)
全体的に落ち着いた色合いでまとめられ、アンティークの家具が据えられた店内は、ほっと息をつくにもってこいの空間。席に着きメニューを開くと、お店自慢のパイの写真がいくつも並んでいます。
こちらはレストラン「KIHACHI」の元シェフ・百瀬壽郎さんによる監修とのこと。

「イズマイ/izumai」(馬喰町)
ランチに最適のミートパイ(360円)など食事系のものから、3時のおやつに食べたいブルーベリーパイ(380円)やアップルパイ・アラモード(650円)などスイーツまで、よりどりみどりです。

今回は、海老トマトクリームパイとアイスティーのセット(730円)をいただきました。

「イズマイ/izumai」(馬喰町)
熱々のパイはオリジナルのカレースパイスが使われており、ここでしか食べられない味。片手で持って食べられる、読書をしながらの食事には嬉しいサイズ感です。また、夜のバータイムにはメニューがガラリと変わり、その時間限定のパイやおつまみのメニューが並ぶとのことでした。

昔ながらの街の新しい楽しみ方

実は、馬喰町という街は近年、古い建物を利用したギャラリーやカフェが新たに生まれつつある場所でもあります。



「昔ながら」と「新しい」の間で、本とおいしいパイを片手に、「イズマイ」で素敵な時間を過ごしてみませんか。

古民家をリノベーションした饅頭カフェ「MUGIMARU2/ムギマルツー」(神楽坂)

神楽坂に佇む、マンヂウカフェ

江戸時代から残る横丁や路地、石畳の町並み、花柳界(かりゅうかい)の粋な文化。
そんな風情のある街、神楽坂。

神楽坂は、人通りが多くて賑やかな一方で、江戸時代から残る横丁や路地先には、歴史ある高級料亭やレストラン、個性豊かなカフェやギャラリーがひっそりと点在しています。

今回ご紹介する古民家をリノベーションしたカフェ、「マンヂウカフェ mugimaru2(ムギマル)」は神楽坂から一本小道を入った一見通り過ぎてしまいそうな場所に佇んでいます。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.6】「ムギマル2」(神楽坂)

【リノベ・古民家カフェレポートvol.6】「ムギマル2」(神楽坂)

外観は、そうとう味のある古民家。
店先にはいくつもの鉢植えが無造作に置かれ、二階からは草木やツタが垂れ下がっており、お店の建物自体が“隠れている”ような雰囲気です。
(※店名の「mugimaru2」の「2」のワケは、神楽坂へ引っ越してくる前に根岸で「mugimaru」を営んでいたからだそう。)

妙に落ち着く懐かしい空間と、やさしい味のマンヂウ

店内は外観からの期待通り、カオスです。笑
客席は1階の一部と2階。1階は小さなテーブルが2つ、オーナーの個性が垣間見れる置物、掛けモノなどが所狭し溢れていて、かなり“ぎゅっ”とした空間です。

2階へは、ものすごく急で、ギシギシとすごい音を立てる階段で!

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

2階はテーブル席が4つ。どれも個性的な表情をしています。そのうち、一つは堀炬燵(こたつ)。
緑が茂っている窓からは心地よい光と風が入ってきます。

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

ただ、店内は扇風機はありますが冷房がないので暑がりの方は、夏場は厳しいかもしれません。(筆者の訪問は8月初旬。暑かったです。苦笑)

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

さて、名物のmugimaruのマンヂウは、もっちりとした食感と、フワっと広がる香りが特徴的。

あんこはさっぱりとした程良い甘さ。
ちなみに、筆者のオススメは「よもぎあんチーズ」。よもぎの香りがする生地に、チーズとあんこの甘しょっぱさが絶妙です!

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

マンヂウはどれも一つ150円。
テイクアウトも1つから出来るので、食べ歩きながらの神楽坂散歩もいいですね。

オリジナルの味と空間が、ファン(コミュニティ)をつくる

一人店内でお茶とマンヂウを味わう人、
お店のスタッフと会話を楽しんでいる人、
マンヂウをテイクアウトする人、
友達と一緒にマンヂウをお店の前の椅子で食べている人。

マンヂウカフェ mugimaru2には、通りの裏手ひっそりと佇んでいるにも関わらず、いつも多くのお客さんが訪れています。

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

どのお客さんも通じていることは「ムギマルのマンヂウを食べたい。ムギマルの空間を愉しみたい」ということ。

【リノベ・古民家カフェ vol.6】 「ムギマル2」(神楽坂)

“ムギマルでしか味わえない優しいマンヂウと、ムギマルでしか体験できない心地よい空間”が多くのお客さんを魅了し引き付ける。それが繰り返されることでお店とお客さんの信頼や繋がりは強くなり、そこに新たなコミュニティが生まれる。

いつもお客さんで溢れる人気店の秘訣は、マンヂウカフェ mugimaru2のようなオリジナルの味とオリジナルの空間を持つことではないでしょうか。

駅舎の高架下リノベーションカフェ「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)

70年の時を経て、生まれ変わった「万世橋駅」

1943年までJR中央線の神田~御茶ノ水駅間に、「万世橋駅」という駅がありました。

その「万世橋駅」駅舎の一部として使われていたレンガ造りでアーチが美しい高架橋が2013年9月、大規模なリノベーションを経て、当時の雰囲気を残しながらも新たな商業施設「マーチエキュート神田万世橋」として生まれ変わりました。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】「マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
川沿いにそびえる見事な赤レンガの高架橋

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
70年前の面影を残す旧駅舎の階段が残っています

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
階段を上から見下ろすとタイムスリップしたかのようです

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水
当時の万世橋駅周辺を再現したミニチュア模型の街

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水
飲食店やショップが並んでいます

マーチエキュート神田万世橋の顔、「フクモリ」

「マーチエキュート神田万世橋」の中には飲食や物販などの11店舗が並んでいます。
その中でも、核となるショップが山形の自然が育んだ食材をいかしたカフェ兼定食屋の「フクモリ」です。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水
フクモリの入り口

70年前の空気感を残しつつ、リノベーションした店舗空間

フクモリのエントランスは山形の食材や雑貨、外に抜けるスペースには家具や書籍、ファッション雑貨などの物販エリアになっており、客席はそのさらに奥に2フロアあります。

レンガの壁面に沿ったソファ席を含めたテーブル席がだいたい40席ほど。
高架下特有のアーチ状の天井は高く、窓も大きいので、とても解放感のある空間となっています。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
物販エリア。書籍やファッション雑貨など

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
高架下特有のアーチ上の天井と70年前から残る赤レンガの壁

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
壁いっぱいに広がる窓。採光もバッチリです

お客さんの中心層は、秋葉原以外に神田や小川町も近いことから、30代~近隣のビジネスマン、OLの方々が中心といった感じでしょうか。
ランチタイムは山形の食材を使った定食。大人気でいつも満席です。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)

フクモリは2007年に東日本橋に1号店がオープンしました。
連日、多くのお客さんで賑わっている人気のカフェ兼定食屋さんです。山形県産の食材を活かした料理と日本全国から集められた種類豊富に揃うお酒。そして、温かみのあるお店の雰囲気が人気の秘訣です。

施設のリノベーションと、その空間を担うお店

「万世橋」という駅が閉鎖して70年。
その間に都心部には新しい施設が、数えきれないほど作られました。
そして、新たなに誕生した「マーチエキュート神田万世橋」。
その中の大きな空間を担うカフェ「フクモリ」。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
夕刻のマーチエキュート万世橋

「マーチエキュート神田万世橋」が従来の商業施設と大きく違うところは、歴史的建造物に付加価値を加えて、新たに蘇らせたことです。
都心部には老朽化してきた施設も多く、リノベーションされることが増えていくと予想されます。

その際は、「フクモリ」のような人の集うカフェを誘致することで「マーチエキュート神田万世橋」のように、多くの人に再び愛される施設になっていくのだと思います。

【リノベ・古民家カフェレポートvol.2】 「フクモリ マーチエキュート万世橋」(秋葉原/お茶の水)
カフェメニューも豊富です