質蔵をリノベーションした趣きのあるカフェ「喫茶 蔵/きっさ くら」(北千住)

東京都・足立区の北千住は、江戸の宿場町として栄えたことで知られ、現在も古い建物がたくさん残っています。
「江戸四宿」という言葉を聞いたことはありますか?東海道、中山道などに知られる五街道とともに整備された4つの宿場町で、日本橋にもっとも近く、江戸の入り口とされていました。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
そのひとつが、日光街道・奥州街道の「千住宿」なんですね。現在の千住の街の風景にも、その面影をうかがえます。

昭和初期の蔵の中にある喫茶空間

今回訪問した「喫茶蔵」は、昭和初期に建てられた質蔵をリノベーションしたお店です。北千住駅西口方面のときわ通りから、さらに細い路地に一本入ると、周りの建物とは少し趣の異なる一軒に出会います。「大蔵屋質店」の大きな文字が見える建物が「喫茶蔵」です。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
居酒屋の立ち並ぶ道を通っていくので、まさかその先にあるとは想像しません。場所を知っていなければ、なかなか偶然見つけるということはなさそうです。

店内へ足を踏み入れると、すぐ前の前にカウンターがあります。こちらが店舗スペース。L字に曲がるカウンターはバーのよう。開放的で、お客さんとの間に距離が感じられないような雰囲気です。

どこが懐かしいようなガラス戸の食器棚、奥の方に見える、いたって普通のオーブントースター・・・カウンターの内側だけ切り取れば、まるでどこかの民家の一風景を見ているかのような気分にもなってきます。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
その向かい、客席の背中のすぐ後ろには、どっしりとした3段の階段。のぼると、そこが喫茶「蔵」の中です。ずっしり厚い、迫力のある金属製の扉は、大切な質物を保管する蔵を守るもの。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
天井が高く、窓がない四角い空間はまさに「蔵」の中にいるという感じがします。各テーブルに飾られた異なるデザインの照明が、ほのかに暗い空間に、あたたかな灯りを演出しています。

部屋の中には、古い壁掛け電話など、時代めいた物がいくつもあります。家具もレトロな色で統一され、屋外の光が入らない蔵の中は、まるで異空間にいるかのよう。味があります。

和を感じるメニュー

メニューには、ストレートコーヒーからエスプレッソドリンク、紅茶、ジュースなど、たくさんのドリンクが載っています。だいたいが500~600円前後の飲み物は、どれもこだわりの器で出てきます。アンティークな香りのするカップが、カウンターの後ろにずらりと並んでいるのが見えます。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
気付いたのは、やわらかに「和」を感じるメニューが多いこと。きなこミルクや、抹茶ジュースなどのドリンクに、食事は、なんとあべかわ餅やいそべ餅、たい焼き、おしるこまであります!もちろんケーキなど洋菓子もありますが、お餅の出てくる喫茶店は珍しいですね。ホットサンドなど、甘味以外もあります。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
人気のたい焼きは、目の前に運ばれてきた瞬間に、良い香りが広がります!さくさくの生地に、あたたかい粒あんがたっぷり詰まっていて、なんだか懐かしい甘さです。

たい焼きは単品の提供はなく、ドリンクとセットになっていて、コーヒーか紅茶を選ぶことが出来ます。ところがこの時、「きなこミルク」という、他ではなかなか見ないドリンクに目を引かれたため、セットのドリンクを変更して頂けないか伺ったところ、快く応じて下さいました。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
一緒に頂いた「きなこミルク」は、きな粉の香ばしさとミルクのみの味わいで、甘さはありません。カップに添えられた砂糖で、好みの甘さに調節し、いただきます。気になるおしるこには「日本茶付」とあります。こちらも試してみたいですね。

地元との距離が近い人気店

テーブル席からカウンターの方を眺めていると、地元の常連さんらしき人が何人もやってきました。お店に何かを渡し、一言二言しゃべって帰って行く人もいれば、席に座り、コーヒーを飲みながら、店員さんと世間話を楽しむ人もいます。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
他には、仕事の合間に立ち寄り、休みをとっていく人々、お喋りを楽しむために来る奥さまなど・・・。飾らない接客をしてくれるこのお店は、店と客の距離が非常に自然に感じられます。下町ならではの気さくな雰囲気のおかげか、いろいろな人が憩う場となっています。地元の人に愛されているんですね。

お会計を済ませたあと、出口へ向かおうとするのを呼び止められ、差し出されたものがありました。小さな箱の中に山積みになっている、色とりどりの「楊枝入れ」。なんとその中からひとつ、選んで頂いて良いとのこと。割烹着を着て「ママ」と慕われる、このお店の店主さんが手作りしているという、綺麗な和柄の楊枝入れです。

なんて素敵なプレゼントでしょう。思いがけない、ちいさな嬉しいサプライズでした。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
和紙があしらわれた楊枝入れは、一つ一つ柄が違っていて、どれも綺麗でなかなか選べません。実は、お店で使われているコースターも、ママの手作りだそうです。なんだか、あったかいですね。

この楊枝の入った箱を、慣れた素振りで差し出してくれたのは、何と常連のおばあさん。手一杯だった店員さんが、自然な口調で代わりをお願いしていました。お店と常連さんとの仲の良さがうかがえます。

【リノベ・古民家カフェ vol. 84】「喫茶蔵」(北千住)
どっしりと構える「蔵」の中のお店は、その歴史ある建物自体のみならず、この街のことも、そこに住む人々のことも、守っているのかもしれません。店を出たあと、手の中の綺麗な和柄を眺めて、足取りが軽くなる。そんな下町の喫茶店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

20分かけて焼き上げるほっとけーきが絶品カフェ!「傳吉商店/でんきちしょうてん」(北千住)

商店街などの大通りがにぎわう一方、角を曲がれば、細い路地に古い建物がならぶ北千住。レトロな雰囲気も漂うこの街は、近年「住みたい街」として人気を急上昇させていることでも有名です。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
駅の西口を出て、目の前の大通りをしばらく進むと、左手に商店街があらわれます。その商店街の路地を一本入ると、今回訪れたカフェ「傳吉商店(でんきちしょうてん)」がありました。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
古民家を改装したこちらのカフェ、お店だと気付かずに目の前を通りすぎてしまうほど、路地に馴染みきっています。

時間の流れがゆるやかな、落ち着きの店内

小さな入口からお店に入ると、店長さんが声をかけて下さいます。入って大丈夫ですか、と尋ねると「大丈夫ですよ、どうぞ~」と返してくれました。なんだかゆるさを感じる雰囲気の店長さんに、肩の力がほっと抜けます。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
店内には、テーブルが3卓と、カウンターに椅子が4つ並ぶのみ。古い木目の家具や、時代を帯びた照明のあたたかい明かり、すべてが調和しています。

お店自体が小さいので、満席になっても店内は静かです。周りを気にせず、とても落ち着くことができます。木のぬくもりが感じられる空間は居心地がよく、リラックスタイムにもってこいです。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
また面している路地の静けさが、店内の落ち着いた雰囲気を引き立てています。時間の流れが穏やかで、ついつい長居したくなります。

平日の午後2時台、訪れた際お店にはお客さんはいませんでした。3時台、つぎつぎと人が増え、小さな店内はあっという間に満席に。とても人気で、週末は満席なことが多いこちらのカフェ。平日の午後一番は、ねらいどきかもしれません。水曜日は定休日なので注意してくださいね。

注文後から20分かけて焼き上げる、人気の「ほっとけーき」

ドリンクは「黒酢ざくろジュース」や「温州みかんジュース100%」など少しこだわったものもあり、500円前後。

メープルシロップやクリームが乗ったスイーツ系はもちろん、ベーコン・レタス・トマト・チーズがサンドされた「BLTC」まであるほっとけーきは600円からです。ほっとけーきには+100円でトッピングも追加できるようです。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
「20分かけて焼き上げるほっとけーき」で有名な傳吉商店。「プレーンほっとけーき」をお願いすると、シャカシャカシャカ・・となにかを混ぜる音が聞こえてきました。注文を受けてから生地を作っているのでしょうか。そこから焼き上げるようです。うかがえる様子に期待も膨らみます。

先にドリップコーヒーが運ばれてきます。ていねいにハンドドリップされたコーヒーは、日替わりのもの。この日はルワンダ産のコーヒーで、酸味が弱く飲みやすかったです。ソーサーに乗せられた木のスプーンが、お店の雰囲気にマッチしています。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
しばらくして、ほっとけーきが出てきました。コーヒーと一緒に、素敵な店内を楽しんでいたらあっという間です。

ほっとけーきは・・厚い。とても厚いです。5cmくらいはありそうです。自宅で作る2、3倍以上の厚みに感じるほど。ナイフを入れてみると、やわらかい。ふわふわで、極厚の見た目とは裏腹です。口へ運ぶと、ふわっと幸せが広がります。ほんのり甘い。
とはいえ、ボリュームがあり、満足感はバツグンです。

ステキな雑貨と本で、ついつい長居してしまうお店

こちらの傳吉商店さん、以前は「cafe CONVERSION」というお名前でしたが、今年(2015年)の春から「傳吉商店」に改名したそうです。実は「cafe gallery CONVERSION」という名の姉妹店が、おとなり埼玉県・草加市にあります。ご夫婦でお店を持っていらっしゃるようで、草加の方は奥様が店主さんです。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
さて、名前にgalleryと入っているとおり、姉妹店にはアーティストの作品が展示されていたりするのですが、北千住の傳吉商店にも似たスタイルがみられます。センス良くセレクトされた雑貨や、アーティストの作品が置いてあります。

見ているだけでも楽しいのですが、実は売られていて買うことが出来るんです。お茶の時間を楽しんだ帰りには、素敵な雑貨を選んでみる。なんていうのも楽しみになりますね。

【リノベ・古民家カフェ vol.78】「傳吉商店(でんきちしょうてん)」(北千住)
置かれているのは雑貨だけではありません。入口すぐの角には本棚もあり、さまざまな本が並んでいます。持参していなくても、コーヒー片手に本を読みながら時間を過ごせるのはよいですね。ますます長居してしまいそうです。

一人の時間を楽しむもよし、友達とゆっくり話を楽しむもよし、そんなカフェです。落ち着いた空間で過ごしたいとき、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

北千住の隠れ家、古民家カフェ「わかば堂」(北千住)

江戸時代に宿場町として栄え、古き良き下町の雰囲気が今も残る東京都・足立区の北千住。上野や浅草までほど近いエリアです。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
どこか懐かしい時間が流れるこの街に、溶け込むように佇んでいるのがこちらのカフェ「わかば堂」。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
地下鉄もJRも通っている北千住の駅前は、たくさんの人が行き交っています。あたりにはにぎわう商店街や、メイン通りを一本外れると、路地好きにはたまらないような細い路地がいくつもあります。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
駅から徒歩5分とアクセスが良いながらも、とても細く静かな路地に「わかば堂」はあります。

アンティーク調で落ち着きのある店内

戦前から残る古民家をリノベーションしてつくったという、こちらのカフェ。緑のあるかわいらしい入り口が目印です。二階建ての店内には、カウンター席が4席とテーブル席が36席あります。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
お店の中は小さめですが、席と席の間隔がちょうど良く、圧迫感がありません。このサイズ感がとても落ち着きます。
茶を基調とした空間には、センスを感じさせる、さり気ない雑貨がたくさん。アンティーク調の家具や雑貨は、オーナーが趣味で買い集めたのだとか。テーブル席に置かれた椅子は一点ずつ異なり、こだわりを感じます。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
2階は、店内が最もにぎわうランチ/ディナータイムのみに開放されている、人気のスペース。そんな2階へと続く階段は、古い家屋の趣を放ち、良い雰囲気です。
また、2階にはベランダや大きな窓から光が入り、空に繋がる気持ちの良い場所です。1階とはまた少し違う表情をみせてくれるのが面白いですね。

店内のスピーカーにはなんと、真空管アンプを使用しているそうで、音の質にもこだわっています。
真空管は特性上、不快に感じられる音が少なく、本物に近い自然な音を響かせてくれます。そこから流れる心地よい音楽は、ゆったりとしたお店の雰囲気に欠かせない存在です。

季節を感じられる手作りのスイーツ

メニューの種類の豊富さは、このカフェの特徴のひとつ。パスタやピザ、お肉や魚などのメイン料理から自家製のパンまで。前菜はなんと500円以下がほとんど、他のお料理もほとんどが1000円以下と、とても良心的な値段です。
カフェメニューも500円前後とお安く、アルコールドリンクも充実しています。


好きなスイーツとドリンクを組み合わせられるTea Time Setは850円~。お料理だけでなく、スイーツも手作りのものが並んでいます。
せっかくこの時期に訪れたので、かぼちゃのチーズケーキをチョイス。まろやかなカフェラテと一緒にいただきました。ケーキは注文を受けてから丁寧に盛り付けして下さいます。きれいに盛り付けがされたお皿に、お店の丁寧さを感じます。

【リノベ・古民家カフェ Vol.72】「わかば堂」(北千住)
ぶどうと柿のトッピングで秋らしさが詰め込まれていました。かぼちゃの優しい風味が広がる、口当たりの良いチーズケーキです。

季節を感じられる手作りのスイーツ
スコーンやマフィンなどもあり、スイーツと同じようにテイクアウトも出来ます。もちろん、どれも手作りの一品。
平日は24時まで(L.O23時)営業していて、遅い時間にも美味しいごはんが食べられるのは嬉しいですね。

路地裏にある下町のあたたかみ

お店を出るとどこからか猫が歩いてきました。
この路地に並んでいるお店のいくつかは「わかば堂」と同じ系列の経営で、猫好きのオーナーさんのところに、猫ちゃんたちが集まるそうです。そう教えてくれたのは、すぐそばの系列店の店員さんでした。「猫が好きなんですか?」とにこにこ話しかけて下さいました。これが下町のあたたかさでしょうか。そんなやりとりや、猫のいる路地風景にも不思議とほっこりしました。

季節を感じられる手作りのスイーツ
今回訪れたのは夕方ごろでしたが、男女、様々な年齢層の方がいらっしゃいました。まさに「隠れ家」のような素朴なたたずまい。それなのに多くのお客さんが訪れるのは、みんなが足を運びたくなる魅力がこのカフェにはあるからなんですね。