名古屋市昭和区にある鶴舞公園(つるまこうえん)は、明治末期から大正にかけて建設された大公園。青空が心地よい昼下がり、サイクリングや散歩などを楽しむ人々を見かけます。
和洋折衷が特徴のこの公園には、大理石で出来た噴水塔や、さまざまな草花があり、人々の憩いの場となっています。また、春には桜が咲き乱れ、秋は色鮮やかな紅葉が楽しめる、一年を通して人気のスポットでもあります。
この、緑あふれる公園の中に、古民家を改装したカフェがあります。
敷地内を道なりに歩いていると、木々の間からぽっと姿を見せるのは「nunc nusQ」。
どっしりとした家構えが目を引く建物ですが、厳然と時代を語る外見とは裏腹に、内装はモダンで、洗練された雰囲気です。そのギャップが、訪れる人の心をつかみます。
種類豊かなスイーツ
石畳が玄関まで続き、ドアを開けるとすぐに、たくさんの焼き菓子が迎えてくれます。ガラスケースの中に並んだ焼き菓子はさまざまな種類があり、うっとりしてしまいます。
フルーツ系がメインのパウンドケーキには、アールグレイ×グレープフルーツといった、少し珍しいものも。ゴマ、抹茶、バニラ、ヘーゼルナッツなど、幅広いフレーバーが魅力のクッキーも並んでいます。
訪れた午後2時台の時点で、フィナンシェとシュー・アラ・クレームはソールドアウト。人気の高さがうかがえますね!
その奥には、さらに様々なケーキがずらりと並んでいます。10種類以上の、色とりどりのケーキに思わず目移りします。
種類豊富なケーキも、すぐに売り切れる程人気です。スイーツがお目当ての方は、早めに訪れることをお勧めします!
上品なサイズ感が可愛らしいケーキは340円~。パイナップルのコンポート・パッションフルーツ・チョコレートムースの層で出来たケーキは、酸味とほのかな甘みが、独特の味を織りなします。どれも、西洋を思わせる風味が口の中に広がるのが特徴的です。
メニューにはキッシュ(500円)もあり、コーヒー・紅茶・ジュースなどのドリンクは300~520円。ボリューミーなカフェラテが、綺麗な陶器のカップで出てきました。
同じテイストの器が店頭でも販売されています。手に取ってみるとしっくりと馴染むカップは、ポーランド製です。美味しいものを素敵な器でいただくと、一層うきうきしますよね。
古さと新しさの共存
光がたくさん差し込む店内は、真っ白な壁が、より明るさを増幅しています。白色と木の質感が基調となり、公園に似合う爽やかさが魅力です。
窓のステンドグラスが彩りを加えている、このバランス。センスを感じます。
見上げると、昔の姿のままであろう、梁(はり)が目に入りました。この家と長い年月を共にしてきた、木柱や梁。壁面の白いコンクリートとの間に、絶妙なコントラストを生んでいるのです。
また、古い家屋ならではの高い天井が、広々とした空間をさらに開放的に魅せます。
外に出て、改めて建物に近づいてみました。土壁のひび割れた表面に、この建物が経てきた長い歳月を感じ、しばし思いを馳せます。
歴史ある公園の中で、歴史ある家屋が紡ぐ、新たな空間。その関係の間に現れる「味」は、とても魅力的なものです。
緑の中に囲まれ、穏やかな時間が流れるカフェはリラックスタイムにもぴったりです。
四季折々の表情を持つ、鶴舞公園も楽しむことが出来ます。「nunc nusQ」に立ち寄って、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。