・品揃えが悪そう
・値段が高そう
・入って買わないで出るのが気まずい
そんな理由で、街の電気屋さんには近寄りがたいイメージを持っている方も多いのでないでしょうか。
しかし、そんな街の電気屋さんが今変わってきています。
なんと、価格は家電量販店と同レベルで、品揃えも引けを取らないお店が増えてきました。
その秘密は、コスモスベリーズという会社との提携にありました。
今回はそんな街の電気屋さん復活の鍵となる、コスモスベリーズの取り組みをご紹介します!
街の電気屋さんの現状
1982年には4万7627店あった個人電器店は、2012年には1万5,683店まで減少。
街の電気屋さんは高度経済成長期の需要ではニーズがあったものの、今や厳しい時代。
ヤマダ電機やケーズデンキなどの家電量販店の魅力的な安さにお客さんを取られています。
上手く行った父や祖父の姿を見て育ち、その後家業の電気屋を継いだ2~3代目で事業が行き詰まっているのが現状です。
ある街の電気屋さんのある日の売上は6,808円でした。
そんな中、コスモスベリーズとタッグを組み、業績を伸ばしている個人電気店が増加しています。
家電販売チェーン「コスモスベリーズ」とは
名古屋市に拠点を持つ「コスモス・ベリーズ」。元パナソニック社員が立ち上げた会社。
「各店の個性を殺さずに経営を維持する」という方針と、「個々のオーナーが知恵を出し合う」という豊栄家電創業時からの「協業」という考えから、
主にVC(ボランタリーチェーン)方式を採用。店自体の看板を変えなくてもよく、仕入や売上などのノルマは強制されない仕組みで加盟店を増やしています。
ヤマダ電機の完全子会社となっていて、ヤマダ電機の仕入れの安さをメインとしたスケールメリットと、地域店が得意とする小回りが利く等のスモールメリットの融合を図っています。
仰天の仕入れ制度
お客さんに提供する家電製品の仕入れ先は、ライバルであるはずの家電量販店、ヤマダ電機。
個人電器店は、在庫を持たなくてもいい上に、仕入れ価格もメーカーから直接仕入れるより大変安いメリットがあります。
さらにヤマダ電機にとっても、コスモス・ベリーズと組むことで、自らの販売網に引っ掛からない地域に手が届くメリットがあるという、win-winな関係を維持しているそうです。
看板そのままボランタリーチェーン加盟店制度とは
いくつかある加盟店制度の中のひとつに、BFCボランタリーチェーン加盟制度がある。
これは「ローコスト・ローリスク・ローハードル」と呼ばれる、加盟し易く、退会し易いようになっているのが特徴です。
- 加盟金 10万円
- 固定会費 1万円/月(仕入額に関係なく)
- 債務保証サービス利用で保証金不要
- 店名や看板は現状のまま
- 本部からの売上・仕入ノルマは一切無し
- 現状の取引メーカーとの継続取引可能
- 加盟店専用サイトBFC.Netで発注・情報確認
- ヤマダの店舗在庫をBFC.Netで確認・引取る(直取りシステム)
などがあり、商店街などで営む電気屋さん向けのサービスとなっています。
電気屋さんだけじゃない!加盟店は工務店、美容院まで
さらに、コスモス・ベリーズに加盟するのは電器店のみではない。
地方の工務店、ガス販売店など、家電を扱う全ての業種にアプローチをしている。
現時点で8,000店舗を超え、2015年度に1万店舗を目指している。
ヤマダ電機の小会社になっているため詳細は不明だが、恐らくまだまだ加盟店と増やしていかなくては、いけないだろう。
コスモスベリーズの正念場はこれからだと言える。
笑って商売できる未来に向けて、電気屋さんの今後
いかがでしたでしょうか。
どんどんと消えてゆく街の電器店。一日の売上が1万を切るケースは珍しくないでしょう。
そんな危機に救世主として現れたのが、コスモスベリーズだ。
まだまだ加盟店を増やしていかなくてはコスモスベリーズも厳しいが、ヤマダ電機との相互メリットは大いにありそうだ。
ただ忘れてはいけないのは、街の電気屋さんをいかに残すのではなく、
家電を求める街のお客様だということです。
正直、家電を買うだけならAmazonで良い。
ただ寝たきりや、視力が落ち車を乗れず市街地までいけない老人、妊婦など多くの行動範囲の制限され、
重い冷蔵庫や、設定が難しいパソコンの設置までやってくれる事に価値があります。
街の電気店の人は、その地域密着の意識を忘れずに、ヤマダ電機などの仕入れを活用し、
サービス力の向上をしていければ、笑って商売できる未来は来るのではないでしょうか。