大都会の喧騒とともに、大きなショーウィンドウのお店が立ち並んでいます。
自由が丘の坂をちょうど登りきったところにあるのが、古民家のリノベーションカフェ「古桑庵」です。
和の異空間が、道行く人の視線を集めます。街中の慌ただしさとは裏腹に、静かで、穏やかな空気感が漂う和風の外観が印象的です。
カフェの奥まった入り口を目指し、立派で緑豊かな日本庭園を進むと、
店の外から見える広い縁側には風鈴があり、涼しげな音が。
都心にいることを忘れさせてくれるような、美しい音色です。
お店の中へ入ると、浴衣や着物を身にまとったお客さんがたくさん訪れていました。
昔ながらの店内で、おすすめの抹茶を楽しむ
店内の雰囲気も和風に統一。
もともとあった古民家を、カフェのために改築したそうです。リノベーションの際には手を入れすぎず、古民家の歴史を感じることができるよう、工夫されています。店内の所どころにある、小さくてかわいらしい和風な雑貨も、雰囲気にぴったりでした。
席は、30席ほどで、休日は満員になることも多々。
庭園を眺められる縁側近くの席が、古桑庵の雰囲気を贅沢に楽しめる特等席です。
メニューは厚紙と和紙を使用した手作りで、ぬくもりがありました。
オススメは、一杯ずつ丁寧に点てる抹茶。
一口サイズのお茶菓子がついて、830円です。深い味わいが人気で、抹茶の香りと、独特の苦味が特徴です。苦くて抹茶が飲めない方には、抹茶オーレや古桑庵風黒みつオーレがおすすめします。甘さがあり、飲みやすいので子連れの方も、家族みんなで楽しめる一品となっています。
他にも、あんみつ(830円)や古桑庵風抹茶白玉ぜんざい(930円)など、和菓子のメニューが豊富です。
店名の由来は、夏目漱石から
古桑庵という名前をつけたのは、夏目漱石の長女、筆子の旦那さまである小説家の松岡譲さん。
松岡さんが自ら、郷里の桑の木材を調達し、茶室「古桑庵」を改装した、こだわりあるカフェです。
古桑庵は、ギャラリーとしても使われており、多くの芸術家の作品を見ることができます。詳細の予定は、HPにも掲載されているので、気になる方はカフェを訪れる前に、ぜひチェックしてくださいね。
都心での生活や、休日のショッピングに疲れた時に古桑庵を訪れると、街の喧騒を忘れ、縁側で美味しい抹茶をゆっくりと味わうことができます。
むかし、同じ場所に座っていたかもしれない、夏目漱石にちょっとだけ想いを馳せながら、ゆったりとした時間の流れに身を任せるのも良いかもしれませんね。