Archives for 1月 2015
2020年東京オリンピックまでに、インフラ系で起こることまとめ
木造倉庫をリノベーション!女性オーナーのセンスが輝るカフェ「iriya plus café@カスタム倉庫」(田原町)
下町のリノベーションカフェをリードする“2号店”
東京東エリアのリノベーションカフェをリードする存在「イリヤプラスカフェ」。
その2号店「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」は、調理道具店や食器店など立ち並ぶ“かっぱ橋道具街”がある東京メトロ銀座線の「田原町」駅にあります。
ここは、プロの調理人からお料理好きまで集まる、調理道具の聖地とも言われている場所です。
そんな“かっぱ橋道具街”があるこの街は、食器や調理具を買い物に来る人や、観光客の外国人でいつも賑わっており、活気に溢れています。
お店のある裏通り。独特の存在感です
看板は以前の倉庫のまま。一見カフェか分からずに、「ん?」となってしまいます。笑
「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」は雑居ビルと住宅が交錯するエリアにある築50年以上の木造倉庫をリノベーションして2012年10月にオープンしました。1号店の「イリヤプラスカフェ」同様に、独特の存在感で醸し出しています。
倉庫の武骨さに、女性オーナーの繊細さが加わった空間
築50年以上の古い倉庫を改装した店内は、倉庫の無骨な雰囲気を残しながらも味わいのある木の梁(ハリ)とレンガ調の壁、そしてオーナーのセンスが光る家具や小物が絶妙にマッチした温かみのある空間になっています。
様々なモノが絶妙にマッチした店内
元倉庫らしい高い天井
不揃いの椅子やテーブル、照明などは、オーナーがポートランドで直接買い付けされたものと、自作のものだそう。全てが不揃いなのに、店内は見事に調和がとれています。
ここがイリヤプラスカフェのすごいところ。オリジナリティが引き立っています。
棚にはかわいい小物がびっしり
店内のイスは一つ一つ違った表情
店内の奥に比較的広めのオープンなキッチンとカウンターがあり、セルフ&キャッシュオンスタイルになっています。そのため1号店よりもお値段が少し安く、ホットコーヒーが350円で楽しめます。(1号店は390円です)
食事もパンケーキなどスイーツが多い1号店とは違い、パニーニなどの軽いものがメイン。
珈琲を飲みに行ったり軽食を取ったりと、フラっと立ち寄れる気軽さも魅力です。
店内の奥に構えるカウンターとキッチン
看板メニューのパニーニとカフェラテ
街の景色を受け継ぎ、想いを紡ぐ“リノベーションカフェ”
「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」があるこの物件は、もともとはこの地で事業を営んでいた倉庫です。入り口の上にある看板は当時の倉庫のモノをそのまま使用されており、外観はあまり変わっていないそう。
街の景色をしっかりと受け継ぎながら、街に更なる活気を与える場所として、この倉庫を上手に蘇らせてもいるのですね。
下町には使われなくなってしまった倉庫や町工場が点在しています。
そんな町工場や倉庫が「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」のようにリノベーションされていくと、街の景色は受け継ぎつつ、新たなコミュニティ空間ができ、そこからまた街が盛り上がっていきます。
もっと、「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」のようなリノベーションカフェが増えていくと、面白い街が増えていくと思います。
温もりを感じる店内の壁
当時の看板。良い雰囲気ですね
この「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」の1号店である「イリヤプラスカフェ」は、入谷の築50年の古民家をリノベーションしたカフェとして2008年から営業されています。1号店も同様に素敵な空間です。1号店の「イリヤプラスカフェ」は、こちらをご参考にどうぞ。
谷根千エリアのシンブル!古民家カフェ「カヤバ珈琲」(根津/日暮里)
多くの人に愛されて蘇った、古民家カフェ
歴史ある建物や街並みが残る、谷中、根津、千駄木。
都心部に近いながらも下町情緒に溢れるこの“やねせんエリア”(谷中、根津、千駄木)は、地元民には勿論、多くの観光客に愛されています。
この“やねせんエリア”のシンボル的なカフェ、「カヤバ珈琲」。
築90年を超える本格的な古民家をリノベーションした、都内でも最も有名な“古民家カフェ”の一つではないでしょうか。
築90年を超える古民家
お店近くの街並み。いい素敵な建物が沢山残っています
カヤバ珈琲は、昭和13年(1938年)に開業した老舗の喫茶店です。
2006年に店主だった女性が亡くなられたことで、多くの人に惜しまれながらも一度お店を閉じてしまいます。
しかし、閉店から3年後の2009年、地元のNPO法人たいとう歴史都市研究会と現代美術ギャラリーSCAI THE BATHHOUSEが協力して建物を借受けて運営することで、カヤバ珈琲は復活再生しました。
築90年の面影が残る店内と、心落ち着く喫茶メニュー
建物の外観はさほど手を付けていません。
外周や店内の花はプランツアーティストの木咲 豊氏、内装デザインは「永山祐子建築設計」の永山 祐子氏が担当されました。
大正町家の柱梁や外観、昭和喫茶の思い出ある看板、椅子、カウンターなどを再利用し、建物の雰囲気と店内の面影を残しつつも、見事なまでに、現代にフィットした空間になっています。
古天井に妙にマッチしたモダンな照明
フロアは1階と2階。
1階は、テーブル席で壁やカウンターなどの細部にモダンな要素が取り入れた空間。2階は1階とは大きく変わって、畳にちゃぶ台、と“これぞ古民家”といった空間。足を伸ばして座るとついつい長居したくなってしまいます。
畳の温もりが、心をほぐしてくれます
2階へのアプローチは、この急な階段で!
カヤバ珈琲の名物「ルシアン(ココアとコーヒーのブレンド)」
8時から始まるデイテイムメニューのドリンクは、コーヒー、ココアに始まり、ミルクセーキ、メロンフロートなど。フードはたまごサンド、ハムサンドやバタートーストなど所謂、昔ながらの喫茶店の名残があるメニューとなっています。
18時~23時のディナータイムのドリンクは、ワイン、ビール、オリジナルカクテルなどのアルコールメニューと、コーヒーなどのカフェメニュー。フードはポテトや唐揚げ、アヒージョなどのおつまみから、しっかりお腹にたまるサンドウィッチや丼モノまでと豊富なメニューが用意されています。
この他にもランチタイムにはランチメニューもしっかりと用意されています。
これだけ営業時間が長く、メニューも豊富ですと、様々な使い分けができますね。
店の再生によって進化する、下町のコミュニティ
生まれ変わったカヤバ珈琲は連日連夜、多くのお客さんで賑わっています。
朝は8時から、夜は23時までと営業時間の長さと、それに合わせた営業スタイルが大きな魅力。
午前中は朝食を食べにくるお客さん、出勤前にコーヒーを飲みにくるお客さん、
日中はランチを食べにくるお客さん、友人や家族とお茶を楽しむお客さん、
夜は仕事終わりの一杯にくるお客さん、恋人とのデートにくるお客さん。
メニューのイラスト、いい雰囲気です。
炎天下でも入店待ちの人気ぶり
地元のお客さんが中心だったカヤバ珈琲は2009年のリノベーションを期に、遠方から訪れるお客さんも増え、様々なコミュニティが生まれています。
歴史あるお店が新たな価値を持って、再生する。
それによって、新たなコミュニティが作られ、更に地域が盛り上がる。
カヤバ珈琲の再生は、様々な地域の再生にも繋がるヒントになるのではないでしょうか。
古民家をリノベーションした饅頭カフェ「MUGIMARU2/ムギマルツー」(神楽坂)
神楽坂に佇む、マンヂウカフェ
江戸時代から残る横丁や路地、石畳の町並み、花柳界(かりゅうかい)の粋な文化。
そんな風情のある街、神楽坂。
神楽坂は、人通りが多くて賑やかな一方で、江戸時代から残る横丁や路地先には、歴史ある高級料亭やレストラン、個性豊かなカフェやギャラリーがひっそりと点在しています。
今回ご紹介する古民家をリノベーションしたカフェ、「マンヂウカフェ mugimaru2(ムギマル)」は神楽坂から一本小道を入った一見通り過ぎてしまいそうな場所に佇んでいます。
外観は、そうとう味のある古民家。
店先にはいくつもの鉢植えが無造作に置かれ、二階からは草木やツタが垂れ下がっており、お店の建物自体が“隠れている”ような雰囲気です。
(※店名の「mugimaru2」の「2」のワケは、神楽坂へ引っ越してくる前に根岸で「mugimaru」を営んでいたからだそう。)
妙に落ち着く懐かしい空間と、やさしい味のマンヂウ
店内は外観からの期待通り、カオスです。笑
客席は1階の一部と2階。1階は小さなテーブルが2つ、オーナーの個性が垣間見れる置物、掛けモノなどが所狭し溢れていて、かなり“ぎゅっ”とした空間です。
2階へは、ものすごく急で、ギシギシとすごい音を立てる階段で!
2階はテーブル席が4つ。どれも個性的な表情をしています。そのうち、一つは堀炬燵(こたつ)。
緑が茂っている窓からは心地よい光と風が入ってきます。
ただ、店内は扇風機はありますが冷房がないので暑がりの方は、夏場は厳しいかもしれません。(筆者の訪問は8月初旬。暑かったです。苦笑)
さて、名物のmugimaruのマンヂウは、もっちりとした食感と、フワっと広がる香りが特徴的。
あんこはさっぱりとした程良い甘さ。
ちなみに、筆者のオススメは「よもぎあんチーズ」。よもぎの香りがする生地に、チーズとあんこの甘しょっぱさが絶妙です!
マンヂウはどれも一つ150円。
テイクアウトも1つから出来るので、食べ歩きながらの神楽坂散歩もいいですね。
オリジナルの味と空間が、ファン(コミュニティ)をつくる
一人店内でお茶とマンヂウを味わう人、
お店のスタッフと会話を楽しんでいる人、
マンヂウをテイクアウトする人、
友達と一緒にマンヂウをお店の前の椅子で食べている人。
マンヂウカフェ mugimaru2には、通りの裏手ひっそりと佇んでいるにも関わらず、いつも多くのお客さんが訪れています。
どのお客さんも通じていることは「ムギマルのマンヂウを食べたい。ムギマルの空間を愉しみたい」ということ。
“ムギマルでしか味わえない優しいマンヂウと、ムギマルでしか体験できない心地よい空間”が多くのお客さんを魅了し引き付ける。それが繰り返されることでお店とお客さんの信頼や繋がりは強くなり、そこに新たなコミュニティが生まれる。
いつもお客さんで溢れる人気店の秘訣は、マンヂウカフェ mugimaru2のようなオリジナルの味とオリジナルの空間を持つことではないでしょうか。