今回ミラノ出展がきまったのは、世界農業遺産にも認定された「茶草場農法」。
2015年にイタリアで開かれる「ミラノ国際博覧会」に、国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定された「静岡の茶草場農法」が
出展することが決まった。日本館に設置されるイベント広場で、日本の食文化や生物多様性などについての取り組みを世界に発信する模様だ。
来年5~10月から始まるミラノ万博は、「地球に食料を、生命にエネルギーを」がテーマ。およそ140か国が参加し、約2000万人の来場者が見込まれているビックイベント。
日本政府は、和食や和食が生まれた背景にある文化の魅力をアピールするほか、多様で持続可能な共生社会に向けた取り組みなども紹介する予定だ。
茶草場農法は、秋から冬にかけて茶園の畝間にススキやササを主とする刈敷き(かりしき/かしき)を行う伝統的農法のこと。
刈敷(かりしき/かしき)とは山野や畔などに生える草木の茎や葉を刈ってそのまま田畑に敷きこんで、
地中において腐らせることで堆肥とする方法もしくはそれに使われた草木のこと。
この茶草によって、茶の味や香りが良くなると言われている。
静岡県の茶栽培では、秋から冬に掛けて、茶園の周辺にある【茶草場】の草を刈って茶園の畝間に敷く作業が行われる。
夏にはただの草むらにしか見えない茶草場であるが、秋になるときれいに草は刈られ、刈られた草が束ねられて干してある風景を見ることができる。
国内で世界農業遺産に認定された地域は茶草場農法のほか、「能登の里山里海」(能登半島)、「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県佐渡市)、「阿蘇の草原と持続的農業」(熊本県阿蘇地域)、「国東半島宇佐の農林漁業循環システム」(大分県国東半島宇佐地域)。国内5地域は合同で1週間程度出展する予定だ。
「静岡の茶草場農法推進協議会」の事務局がある掛川市は、伝統農法を世界に発信するチャンスととらえ、出展が正式に決まった後に具体的な出展内容を検討する方針。パネル展示や茶の試飲などを行いたいという。
■静岡の茶草場農法推進協議会
http://kakegawa-kankou.com/chagusaba/