温泉街"熱海"にある古民家カフェ「カフェキチ/CAFE KICHI」(熱海)

静岡県を代表するリゾートといえば“熱海”。温泉やビーチはもちろん、樹齢2000年を超える大木や新鮮な魚介など、自然からの恵みを体感できるスポットで、毎年多くの観光客で賑わいます。

今日も、駅前のタクシー乗り場を抜けると、レトロな雰囲気が漂う仲見世商店街は大盛況です。
この通りをまっすぐ進むと、もう一つの平和通り商店街につながる路地が。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

活気のある商店街の雰囲気とは一転。古い民家が連なる中にひっそりとたたずむのが、CAFE KICHIです。
あまりにも周りに溶け込んでいたため、気付かずに通り過ぎてしまいました。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

ダンディな雰囲気の店内と充実のカフェメニュー

年期の入った重厚なドアを開けると、かわいらしい店員さんが出迎えてくれました。
CAFE KICHIは1階に3卓と、2階に4卓あり、隣の人の話し声が特に気にならないくらいゆったりとしたスペースが確保されています。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

店内の赤茶色の砂壁、歳月の経過を感じる味のあるテーブル、小さなランプがふんわり照らす店内。
落ち着いたあたたかみのある雰囲気です。

2階につながる階段を上ると…日が優しく差し込む明るい空間が広がっています。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

一卓一卓のスペースは、布でゆるりと仕切られ、どの席についても一人の時間や仲間たちとの時間を堪能できそうです。

気になるメニューはというと…

コーヒー6種510円~、アレンジコーヒー5種620円~、紅茶9種類、ソフトドリンク4種510円~、その他アルコール、お店自慢のスイーツ、軽食(季節で変わる野菜のキッシュ、桜エビとしらすのピザトースト)など…すごく充実しています。

そして、メニューの食材は、ほとんど地元静岡で採れるものを使うというこだわり。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

注文して出てきたのは、取っ手のない器に入ったカフェオレ。
器を両手で握ると感じるのは、じんわり伝わってくる温かさと、やさしい陶器のさわり心地。一口飲めば、ほっと心が休まる瞬間がやってきます。苦みがなく、ミルク感の強いまろやかな味わいで、苦いコーヒーが苦手な方には特におすすめ。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

一方、女性の店員さんのおすすめは、香りが良いモカブレンド、フレンチローストだそう。「レアチーズケーキやスコーンと合わせていただくのが好きなんです」と、ステキな笑顔で答えてくださいました。もともとCAFE KICHIに客として訪れ、大好きになってしまいアルバイトを始めたそうです。

新しい静岡の魅力

CAFE KICHIは築30年以上経つ古民家をリノベーションして作られました。このカフェのオーナーは「純喫茶しかなかった熱海に、若い人も楽しめる場所を作りたい」という想いでCAFE KICHIをオープンさせたそう。

実は、姉妹店であるKICHI+KASHI KICHIのオーナーでもあります。これら3つのお店のリノベーションを手がけたのは、オーナーの知り合いだった藤原慎一郎さんのデザイン事務所、ケンブリッジの森です。藤原慎一郎さんは静岡県沼津市出身で、沼津に事務所を構えるほど沼津を愛している方。

カフェの内装だけでなく、廃材を利用して作られたテーブルやチェア、曲線が美しい木の花の照明などのデザインも手掛けたそうです。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

静岡の食材を使ったメニュー、そして静岡を愛する人が作り上げ、営なんでいる「CAFE KICHI」。ここでは、温泉やビーチなどの観光で感じる静岡らしさだけでなく、静岡の人のぬくもりとつながりを感じることができます。

【リノベ・古民家カフェvol.48】「CAFE KICHI」(熱海)

「遠目なら…」と写真をOKしてくれたシャイな店員さんたち。
彼らと話すと、熱海の新しい魅力を発見することでしょう。

Text By Kanami Niiyama