食と地域の『絆』づくり 小田原市「片浦みかん」プロジェクト


食と地域の『絆』づくり 小田原市「片浦みかん」プロジェクト神奈川県小田原市片浦地区は、もともとみかんの名産地でした。
この片浦みかん、実は60~80代の農家で支えられおり、今後10年間の間に片浦地区での生産量が最盛期の1割程度になることが懸念され、その存続が危ぶまれています。

この危機を救い、新たに小田原名産「片浦みかん」のブランドを作ろうと立ち上がったのが「片浦みかん」プロジェクト。

このプロジェクトは、以前紹介した「小田原市無尽蔵プロジェクト」の中の1つ、「小田原スタイルの情報発信」プロジェクトでもあります。

<記事リンク>小田原無尽蔵プロジェクトとは?

 

小田原市と地元企業、農家が一体となってプロジェクトを推進

このプロジェクトの発起人は、「報徳二宮神社」という「二宮金次郎」を祀った神社の宮司さん。

そこに、老舗企業をはじめ、数十の地元企業の協力と、小田原市の企画協力を得て、小田原柑橘倶楽部の母体「片浦みかんプロジェクト」が発足しました。

片浦地区でみかんを栽培する農家さんの、力の要る収穫の手伝い、販売場所や安定した価格の確保といった様々な形で、栽培、収穫から販売までをアシストしています。行政と企業、農家が一体となってプロジェクト進めます。

昨年には、農林水産省の「食と地域の『絆』づくり」優良事例として、表彰されました。


(画像:片浦みかんプロジェクトFacebookページより)

 

持続可能な社会の実現のために

小田原の英知を集めた片浦みかんプロジェクトが目指す未来は、「人・もの・お金が循環する持続的発展が可能な社会」。

みかん農家を始め、他の農産物生産者の生産・販売のアシストを行うことによって、地域の中で、人・もの・お金のつながりや循環が生まれます。

片浦みかんプロジェクトは「小田原柑橘倶楽部」というブランドで、地域振興サイダーの製造・販売も活動も行なっており、小田原みかんサイダーの他に、片浦レモンサイダー、それに、同じく小田原の名産品である「梅」を使った小田原梅サイダーを製造し、地元の協力店で販売しています。

小田原の中で、人が、ものが、お金が循環する仕組みを創り、経済的にも持続可能なまちづくりを目指しています。


(画像:片浦みかんプロジェクトFacebookページより)

 

まとめ

相模湾に面した段々畑で、たっぷりとしっかりと太陽と潮風を浴びた小田原片浦地区のみかん。筆者も食べたことがありますが、甘みと酸味があってとても美味しいです。

その美味しさのひみつは「海沿いの急傾斜地」という独特な地形。段々畑が、穏やかで雄大な相模湾から反射するキラキラとした太陽の照り返しをみかんの樹に均等に降り注ぎ、おいしいみかんができあがるそうです。

この小田原ならではの風土の中で生まれた名産品、片浦みかん。

この貴重なまちの資産を後世に残し、伝えようと本気で市と企業と農家が一体となって取り組んでいるのが、この「片浦みかん」プロジェクトです。

このように民間だけでなく、行政もお金を支援するだけでなく共にプロジェクトを推進していくという姿勢はこれからの街づくり・地域活性化において、行政にもとめられる在り方なのかもしれません。

<片浦みかんプロジェクト公式ページ>
http://www.odawara-kankitsu.com/

<片浦みかんプロジェクト「小田原柑橘倶楽部」Facebookページ>
https://www.facebook.com/odawarakankitsu