「自分で育てた野菜を食べてみたい!静かな農村地帯の生活を満喫してみたい!」都会で生活をしていると、そんなことを思う方も多いのではないでしょうか。
「でも、家は東京にあるし、仕事が…。」「結局リタイアしたらに、なっちゃうかな。」
実現はなかなか難しいもの。
そんな中、利用者が全国的に増えつつあるのが、滞在型市民農園「クラインガルテン」。
年間契約で土地と小屋を借りて、週末に通ったり、可能な時は長期滞在して、農村の生活ができる農園です。
クラインガルテンはドイツ語で、直訳すると「小さな庭」。
「市民農園」と訳されることもが多い滞在型の農園のことです。
本場ドイツでは200年の歴史を持ち、50万人の利用者の権利を保護する法律が定められ、国の制度の中に取り入れられているほど。クラインガルテン運動を広めたシュレーバー博士にちなんで『シュレーバーガルテン』とも呼ばれています。
当初は劣悪な労働環境によって、健康を害した人々の健康回復のために自然が提供されました。また、経済的豊かではなかった労働者の子供が、手軽に自然に触れられるようにすることもクラインガルテンの役割でした。
日本においても、長野県東筑摩郡四賀村(現松本市)において、平成5年(1993年)に坊主山クラインガルテンが設置され、多くの農村の生活に憧れる人々の夢を叶えています。
その後、全国的に広がりクラインガルテンを行う地域が増え始めています。
週末の自分だけのこだわり農業
「信州松本・四賀クラインガルテン」は、日本での滞在型市民農園クラインガルテンの草分け的存在。休耕地の有効利用を目的に建設されました。
年間10万円から50万円の利用料を払い、約100〜300平米の土地(うち数10平米は小屋)を借りて、週末に農村部の生活や実際の農業を行うことができます。
冬季を除き、1ヶ月間で6日以上ないし、3泊以上利用することが条件。
また、クラインガルテンでの必要な資材等は、地区で調達すること、クラインガルテン区画内における花・野菜作りは有機無農薬農法で行うことも条件となっています。
多くの利用者は、簡単な寝具や生活用品を小屋に用意し、宿泊して利用しているようです。
利用料は、借りる土地の広さや小屋の設備によって変わりますが、年間数十万円で気軽に農村部の生活を体験できる、なかなかお得なサービスではないでしょうか。
地元の方との交流も
「信州松本・四賀クラインガルテン」では、地元の方々がボランティアで「田舎の親戚」となり、野菜作りや収穫の時期などをアドバイスしてもらえます。
農業に関心はあるけど、実際にやるのははじめて、という方にも心強いですね。
農業で汗を流した後は、クラインガルテンからほど近い浅間温泉に浸かって、一日の疲れと一緒に、都会で溜まった一週間の疲れを癒すという利用者もいるようです。
全国には様々な場所でクラインガルテンがあり、その土地ごとの風土を味わうことができます。
クラインガルテンには、ただ土地と小屋を借りて農村の実生活を体験できるだけはなく、それに付随する様々な付加価値がありそうです。
まとめ
気軽に、週末だけの農業や農村生活を体験できる、滞在型市民農園、クラインガルテン。
土を耕し、種を蒔き、新鮮でみずみずしい取れたて野菜を食べる。そんな暮らしが、身も心も健康にしてくれます。
都会育ちの子どもにとっては、週末だけの農業は新鮮な経験になるのではないでしょうか。
滞在型クラインガルテンは、現在全国に70ヶ所ほどあります。
日本での第2の生活の場を選んで、週末農業に挑戦してみてはいかがですか?
【首都圏のクラインガルテン情報】
http://chiikigoto.com/2013/10/06/tokyokleingarten/
【信州松本・四賀クラインガルテン公式サイト】
http://www.mtlabs.co.jp/shinshu/agri/kurain.htm