地方に共通する様々な課題解決に向けたアクションプランを考え、提案し合う、
「小布施若者会議」が行われます。
72時間 若者だけの未来語り「小布施若者会議」
人口1万1千人の地方都市「小布施」を具体事例として、
日本、地方、自分自身の未来像を若者たちが描きます。
町民をはじめとする審査員の心を動かしたプランは、
まちづくりや施策への反映ができるようにサポートまで行われる。
そんな、町をあげた一大イベントが「小布施若者会議」です。
そもそも「小布施」とは?
長野県小布施町。
町を目当てに年間120万人もの人が訪れる、信州の北部にある小さな町です。
まちづくりに関心がある方なら、一度は聞いたことがある町ではないでしょうか。
栗ようかんをはじめとした栗菓子や、天保15年(1844年)から(1848年)まで滞在し絵を描いた、葛飾北斎で知られています。
今回はそこで開催される「小布施若者会議」の3日間について、ご紹介いたします。
地理的にも、北は北海道・東北地方から、南は中国・四国地方まで、
職業も高校生や大学生、ITマン、農業従事者、僕らデザインファームなど、
一堂に会する、多様なバックグラウンドの人々が
よいディスカッションをするための工夫が、随所に凝らされています。
町民の方々との交流
小布施を知るツアーから始まるこの会議。
一日目の夜は、小布施の民家さんにお泊りさせていただけるようです。
民家に泊まれることのポイントは2点あると思います。
- それほど、町民レベルの町ぐるみイベントができてしまう町だということ。
つまり、町民の方々とも、全国の若者と一緒にこれからの町のことを考えようという気概があること。 - そして、町民の方と同じ暮らしを、一日だけですが体験できること。
つまり、小布施という具体的な事例を通じて日本を考えるという時、生の暮らしに触れることができるということ。
小布施フィールドワークとディスカッション」
2日目いっぱいかけて、フィールドワークやディスカッションを行い
「小布施を一層おもしろく、魅力的にする」ためのプランを考えます。
並行して、「農業」「地方」「小布施」の3つをテーマに
パネルディスカッションが行われ、その道の先駆者たちの議論を聴く事ができます。
こちらも、ポイントは2点。
- 「小布施を一層おもしろく、魅力的にする」というテーマ設定の妙
こういったディスカッションでは「問題を見つけて、解決する」という課題解決型のディスカッションになりがちです。そうすると自然、町を「あらさがし」するような目で視るようになります。そうではない、「一層おもしろく、魅力的にする」このテーマ設定なら「いま町にあるおもしろさ・魅力」を探し、見つけ、それを磨くという方向にフォーカスがいくでしょう - フィールドワークと同時並行である、パネルディスカッション
フィールドワークのように、実際に生の現場を見てディスカッションすることと、既に先駆者が考えたことを共有してもらえる場があることが議論が浮つかず、理想主義にもなりすぎず、より実りあるものにしてくれそうです。
プレゼン&マッチング大会
最終日には、チーム毎に作成したまちづくりプランを、
町、民、企業にプレゼンテーションを行います。
支持を集めた案に対しては、実現に向けたアクションに繋がる様々なサポートが。
そして、小布施が好きになってしまった人には、そのまま住み着けるよう(笑)、
地元企業の就職説明会や農業のお手伝い募集のマッチング企画があるとか。
- 実現すべき案を求めている
案をきちんと地元に活かす、という設定が成されていることで、単なるアイディアコンテストにとどまらない、現実にやるというゴール設定が成されます。 - 企業とともに町づくりイベントを実施
「地域づくり」において、やはり経済活動はひとつの外せない論点です。市政だけでも、有志だけでも、うまくいかないでしょう。
地元の企業を巻き込む、採り入れる視点がある、企業からも参加者に語る場所を用意する、という設定はひとつの慧眼です。
まとめ
地元に根ざしたこれからの地域づくりを考える「小布施若者会議」では、
様々な工夫によって、よいディスカッションを誘発しようとしています。
- 町ぐるみのイベントで、民家に泊まるなど生の小布施を知れる工夫があること。
- 小布施が好きになる「一層おもしろく、魅力的にする」というテーマ設定。
- 議論の浮つきを防止する「その道の先達の智慧」を共有し「実現する」という前提でプランを募集。
- 町、民、企業とともに町づくり
実は、筆者のグループも、小布施若者会議に参加します。
現地からレポートを行おうと思いますので、ぜひそちらも御覧ください。
*写真については、小布施若者会議 事務局のご好意で掲載を許可頂きました。
転載・商用利用の際は、小布施若者会議事務局までお問い合わせください。