日本の世界自然遺産そして、新しい動き「世界ジオパーク」を一覧でご紹介します。
世界遺産と、その登録数
世界遺産は1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約基づいて登録された、遺跡、景観、自然など、過去から未来へと伝えて行かなければならない人類共通の遺産である。2014年の時点で161ヶ国1,007件件が登録されている。
3つの世界遺産
世界遺産には、以下の3つの種類があります。
- 文化遺産
- 自然遺産
- 両方を兼ね備えた複合遺産
世界遺産になるまで
- 国内の世界遺産候補物件リストに登録
- 1の条件が整ったものを世界遺産委員会に推薦
- その後専門機関の調査を経て、年1回、世界遺産委員会で基準に照らしあわせて審議
- 登録の可否が決定
されるという、世界遺産登録まで非常に難しい過程が必要となる。
日本の世界遺産
日本には複合遺産はなく、13件の文化遺産と、4件の自然遺産がある。
文化遺産
- 法隆寺地域の仏教建造物/1993
- 姫路城/1993
- 古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)/1994
- 白川郷・五箇山の合掌造り集落/1995
- 原爆ドーム/1996
- 厳島神社/1996
- 古都奈良の文化財/1998
- 日光の社寺/1999
- 琉球王国のグスク及び関連遺産群/2000
- 紀伊山地の霊場と参詣道/2004
- 石見銀山遺跡とその文化的景観/2007
- 平泉:仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群̶/2011
- 富士山-信仰の対象と芸術の源泉/2013
自然遺産
- 屋久島/1993
- 白神山地/1993
- 知床 /2005
- 小笠原諸島/2011
もっとも新しいのが2013年6月に文化遺産として登録された富士山。富士山は日本を象徴する雄大な景観を誇るが、自然遺産としての登録ではなく、「信仰の対象と芸術の源泉」。自然遺産として認識されている方も少なくないのではないでしょうか。また現在暫定リスト(国内の候補物件リスト)には文化遺産12箇所、自然遺産1県が掲載されており、推薦を待っている状態である。
世界遺産としての各地への経済効果
世界遺産への登録は、国内外からの観光客誘致に大きな経済効果を生む。地域経済の起爆剤として各地の地方公共団体も期待が大きい。一方で安易な観光地化は、世界遺産の本来の目的である保全の妨げになることが懸念されているほか、登録により観光上の開発が制限されるケースもあり、世界遺産の本来の意義を正しく理解した上での登録が求められている。
ジオパークという新しい動き
またここにきて、ジオパークという新しい自然公園の形が注目されています。
ジオパークと、その登録数
ジオパークはジオ(地球)に親しみ、学び、楽しむ公園で、地球化学的な観点で重要な自然遺産を持つことが求めら、活動の中心は保全・教育・ジオツーリズムの3つの要素です。世界ジオパークネットワークの審査・認証を経たものが「世界ジオパーク」となり、
国内では
- 洞爺湖有珠山
- 糸魚川
- 山陰海岸
- 島原半島
- 室戸
- 隠岐
の6件が認定されている。
このほか、日本ジオパーク委員会が認定した日本ジオパークが30地域ある。
ジオパークそのものが自然遺産を利用しながら地域の持続的経済発展を目指しています。各地でジオパークを目指す地域団体が立ち上がっており、熱心に招致活動を続けている。
ジオパークとして書類審査・現地審査に合格するには地球化学的要素を活かすことが、大前提であり、各地域団体はジオツーリズムのプログラムづくりを進めています。
日本のジオパークの今後
ジオパークは従来の観光地とはやや趣向が異なる学びの場でも有ります。その趣旨が地域はもちろん、訪問者にも共有されて初めてなりたつ自然公園といえます。
日本はジオパークにふさわしい、さまざまな地球活動が生み出した景観に恵まれています。ジオを知ることで地域を知り、学びを通じて地域の活性化が進むことに期待がかかります。
参照
> 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
> 日本ジオパーク委員会