太陽と共生する街!オーストリアのソーラーシティ


太陽と共生する街!オーストリアのソーラーシティ家庭では、太陽光等の自然エネルギーの利用が進んでいます。 最近では、日用品を購入する際にもそれが本当に必要なものかどうかをよく考え、 長く使えるものを選ぶといった、環境にやさしいライフスタイルを送る人が増えてきています。

そんなエコなライフスタイルを街全体で実現している都市があります。 オーストリアのリンツにある環境ニュータウン「ソーラーシティ」。
豊かな自然にかこまれたこの街では、太陽の光・吹き抜ける風をも利用してエコな町づくりをしています。

 

 

リンツは、人口は約19万人のオーストリアの都市の1つ。
ウィーン、グラーツに続くオーストリア第3の都市。
ブルックナーや、モーツァルトなど、著名な作曲家ゆかりの地として知られる、歴史と豊かな文化を持つ町です。

 

太陽と共生する都市「ソーラーシティ」

リンツの「ソーラーシティ」は、2001年から2005年にかけて建設された環境ニュータウン。
リンツ中央市街地から直結した路面電車の駅を中心にして、1300戸のアパート群が立ち並び、3300人が暮らす、新しい街です。
この街のアパート群は、各施設の屋根や壁に取り付けられたソーラーパネル発電はもちろん、自然の採光や風を取り入れたり、最高水準の断熱を施されたり、バイオマスなどを使った大型ボイラーでの地域熱供給が施設されているなど、街全体が低環境負荷都市となっています。 トイレも太陽エネルギーと雨水で稼働、街の中にある106 ヶ所の公的エコ・トイレの蓄積した屎尿は養分添加して農地での肥料となります。

このように自然を最大限に活用することで、余計な技術、建設コストを省き、
ソーラーシティでの2005年の住宅消費エネルギーは、オーストリアの全国平均の、60%以下まで抑えられたそうです。

街に住人のライフスタイルをデザインする

多様な住民に対応すべく、余暇を過ごすための環境も多様なものが開発されています。 かつては、小さくなんの変哲も無かった湖「ヴァイカー湖」は大規模に拡張され、緑地が作られ、自然を楽しめる空間に。 ソーラーシティ内には、「公園地区」というエリアを設けられ、学校や幼稚園、老人クラブ、母子センターなどの公共施設がまとめて建設され、住民通しの繋がりが生まれる場が作られています。
また、女性への配慮の観点から、女性が利用のしやすい福祉施設や、夜でも道を明るく照らす街灯が設置され、安全な生活が担保されています。

 

まとめ

太陽の光や、自然の風を最大限に利用できるようにデザインされた建物、住民の多様性を保つための制度設計、
そして、ライフスタイルまでスマートにデザインされた、オーストリア、リンツの「ソーラーシティ」。

“ソーラー”シティと聞くと、休耕地などの地面や、住宅の屋根の上にぎっちりと敷き詰められたソーラーパネルの景色をイメージする方が多いと思いがち、しかし、リンツの「ソーラーシティ」は、光や風など、太陽の、直接的または間接的な恵みを「人」が享受するために最適化されているまちとなっています。

まさに考え方が「スマート」なまちですね。
経済的には工業立国でありながら、河川などの豊かな自然と独自の文化を持つ日本にとって、十分に参考になる取組みではないでしょうか。