その東京東エリアの一角、江戸文化を伝える伝統工芸職人の街であり、今もジュエリーや皮革製品のお店が数多く集まる「御徒町」。そして言わずと知れた電気街、アニメ&ゲーム文化の聖地である「秋葉原」。
2011年、東京東エリアのこの二つの街を結ぶ山手線高架下をリノベーションし、「モノづくりをテーマにした街/2k540 AKI-OKA ARTISAN」がオープンしました。
今回は、リノベーションによって生まれ変わった山手線高架下の商業施設「2k540 AKI-OKA ARTISAN」をご紹介します。
物作りの街を象徴するネーミング
「2k540 AKI-OKA ARTISAN」。
読み方は“ニーケー ゴーヨンマル アキオカ アルチザン”。
「2k540」とは場所を東京駅起点での距離(キロ程)で表す鉄道用語。
つまりここは、東京駅から2k540m付近に位置するということ。
また、「AKI-OKA」は「秋葉原―御徒町間」、そして「ARTISAN」とはフランス語で「職人」という意味。物作りの街であるこのエリアを象徴するネーミングです。
ここには、職人の物作りを感じる工房が一体となったショップやカフェなど49店舗がずらりと並んでいます。
職人技を間近で感じられる空間
“モノづくりをテーマにした街”とだけあって、「2k540 AKI-OKA ARTISAN」は、“作り手との距離”がとても近く感じられます。
工房が併設されていて目の前で作業工程が見える、クリエイターが直接モノへの思いを語ってくれる、モノづくり体験ができるワークショップを開催しているなど、ただ単に商品を販売するだけじゃないショップやイベントスペースが集結しています。
革製品、陶芸、ジュエリーなどのお店では、1点ものが数多くあるので、気になったものを作り手と直接話しながら買い物ができるというのも、ユニークな体験ですね。モノづくりを通して、人との出会いも同時に楽しめるのも、「2k540 AKI-OKA ARTISAN」ならではの魅力です。
また、カフェやベンチなどもあるので、ゆったりと休みながらクリエーター達の作業風景やショッピングを楽しむことができます。
リノベーションによって、ますます盛り上がる東京東エリア
「2k540 AKI-OKA ARTISAN」がある高架下は、もともとは倉庫と駐車場が続く、暗い場所でした。しかし、リノベーションを経て壁面は白く塗装され、明るくクリーンな場所に生まれ変わり、街の景色も美しくなりました。いま、東京の東エリアは、その土地毎の特徴活かしながら様々な施設や建物のリノベーションによって、景色や人の流れが大きく変わりだした街が増えてきています。
「2k540 AKI-OKA ARTISAN」も正にその一つ。この地区は、革の地場産業があるほか、昔からジュエリータウンのある問屋街です。また、台東区は江戸の伝統工芸を継ぐ職人が多い地域でもあります。周辺には廃校になった中学校の校舎をリノベーションし、若手クリエーターの活動や創業を支援する行政の施設「台東デザイナーズビレッジ」や「3331 Arts Chiyoda」などがあります。
そして、神田、馬喰町、日本橋を結ぶ「CET(セントラルイースト東京)」では、かつて問屋街として賑わった地域の空きビルや空き部屋をリノベーションしたギャラリーやショップ、カフェなどが進出し、街全体が盛り上がってきています。
この東京の東エリア。盛り上がりの真っただ中。もっともっと街が面白くなるスポットが増えていきそうで、目が離せませんね!