現在、街の再開発によって高層ビルが立ち並ぶ日本橋。
歴史ある街並みは、江戸の文化を残しつつも目まぐるしく変化し続けています。
街の中心に位置する「コレド日本橋」。
2004年にオープンし、日本橋の新たなランドマーク的な存在として多くの人に利用されています。
そのコレド日本橋の足元に、小さな公園のようなスペースが広がっているのをご存知でしょうか。
ウッドデッキの上に並ぶ、目を引く美しいカラーリングのチェアやテーブル。まるでカフェのテラスのようなスペース。
日本橋コレドのオシャレなフリースペース
実はこのスペース、“公開空地”のリノベーションによって誰もが自由に使えるフリースペースとして生まれたのです。
今回はリノベーションされた、このコレド日本橋の“公開空地”をご紹介します。
“公開空地”という、特殊なスペース
この場所は“公開空地”というあまり聞きなれないスペース。
“公開空地”とはざっくり言うと、近年、高層ビルが乱立し、都市が過密化するのを和らげるために作らなければならない空地のこと。
私有地と公有地(公共空間)の中間に位置する微妙な空間なのです。
公開空き地では、営利目的である施設などは常設できませんが、イベントなどの一時的な利用は可能とされています。
都心部で有名な公開空地は、六本木ヒルズのヒルズアリーナ、恵比寿のガーデンプレイス、六本木ミッドタウンの芝生広場などがあります。
この辺りの有名な公開空地では、頻繁にイベントなどが催され、効率的に活用されていますね。
ただの通路から、人々が繋がるコミュニティスペースへ
このスペースは元々、コレド日本橋がオープンしてからしばらくの間は今のようにウッドデッキ等は無く、近隣のオフィスワーカーや住民が利用する「ただの通り道」でした。
しかし、2005年にリノベーションされたことで、このスペースの存在価値や役割が大きく変わりました。
敷き詰められたウッドデッキの上には、スタイリッシュかつカラフルなチェアやガラステーブル、パーテーションが置かれ、さらに植栽が施されて、居心地の良いカフェ的な空間が創りだされました。
そして、日中には、近隣のビジネスマンやOLがテーブルでお弁当を広げたり、コーヒー持ち寄って打合せをしたり、といった具合に利用されています。また夕方以降は、日本橋界隈に買い物や遊びに来たお客さんがひと息ついたり、談笑したりと、多くの人がこのスペースを利用しています。
今までただの通り道だった場所がリノベーションにより、様々な人達のコミュニティスペースへと変わったのです。
地域を盛り上げる空地の有効利用
都心部は今もなお、高層ビルが建設されつづけています。
そしてその分、まだまだ利活用されていない、地域を盛り上げる可能性を秘めた“公開空地”は数多くあります。
公開空地周辺の昼間人口が一定量を超えている地域であるならば、コレド日本橋のようにコミュニティスペースにリノベーションしていけば、その場所は新たな盛り上がりをみせるのではないでしょうか。
そこには周辺住民やオフィスワーカー、更に観光客が集えて、憩いや出会いの場に繋がり、移動式カフェやバーなど(収益を生む仕組み)も出来ていくでしょう。
高層ビルの隙間には、街を盛り上げるポテンシャルがまだまだありそうですね。